それは確かに愛だった。 (ページ6)

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次に目が覚めた時には、外は明るく、先程まで目の前にいたユンギはいなくなっていた。

結局そのまま棚の上に置きっぱなしになっていたご飯をみつけ、深くため息をつく。

今度こそ、重たい腰を上げてベットからおり、ご飯を回収する。

勿体ないけど、お腹もすいていないし捨ててしまおう。

そんなことを考えながら部屋のドアをカチャリと開けると、少し驚いたような顔をしたユンギがいた。

タオルでガシガシと頭を拭いているので、多分シャワーでも浴びてきたのだろう。

｢ユンギ…てっきりもう仕事に行ったのかと思った。ご飯食べる？？｣

｢ん…｣

｢わかった、今度は寝ずに待っててね｣

ちょっとした嫌味を込めてユンギにそういうと、今度は何も言わずに私をするりと避けて部屋へと戻った。

｢…なんか反応してくれたっていいじゃない、ばーか。｣

悲しく独り言を漏らしつつ、足早にキッチンへと向かい、ご飯を捨てようとゴミ箱を開けると、リビングのドアがカチャリと開く音がした。

｢…ユンギ？？どうしたの、リビングに来るなんて珍しいね？？｣

ふと気になってドアの方を向けばユンギがぼーっとこっちを見て立っている。

｢気分転換？？テレビでもつけて待ってて、すぐご飯作るから。｣

そうしてまたキッチンのゴミ箱の方へと戻ると

｢それ。食うから。｣

｢…え？？｣

｢早くして。｣

｢…これ、昨日のだから新しいの作るよ、お腹壊したりしたら大変だもの…｣

｢…早く｣

｢あ、え…？？｣

少しは、昨日の熱愛報道に罪悪感でも感じたのか？今までリビングに来てまでご飯を催促することなんて1度たりともなかったのに。

｢…早く。腹減った。｣

｢わ、わかった、すぐ用意する…｣

結局、捨てるはずだった食材達はユンギのお腹の中へと収まり、ユンギも心無しか元気になったように見える。

(ユンギも、勿体ないって思ってくれたのかなあ…)

冷たいようで、ユンギは優しい。
懐に入れた人は、とことん可愛がる人だと思う。まぁ、デフォルトが冷たいから分かりずらいけど。

すっかり綺麗になったお皿をもってキッチンへと戻ると、それと共に立ち上がるユンギ。

｢もう仕事？？行ってらっしゃい。｣

いつもは、なにも気にせず出ていこうとするユンギが、今日は立ち止まる。

｢…もう飯、作んなくていいから。｣

そう言って出ていったユンギ。

ガチャりと玄関の扉が閉まる音を聞いた途端

私は思わず、お皿を落とした。