それは確かに愛だった。 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:5,128 hit

2 ページ2

｢…いてぇな、なんの用。｣

誰だ。SUGAなんて芸名をつけたのは。

｢浮気。｣

｢は？？｣

｢また浮気した。｣

｢あぁ、また熱愛報道見たの。お前も暇だな。｣

この男に、甘さの欠片なんてありゃしない。

｢ねぇ、私言ったよね？？私はユンギが私のものでいてくれないと嫌って。｣

｢知らね。｣

｢私はユンギがいないと生きてけないの！！｣

｢そんなことより早く飯。そろそろ腹減ったわ。｣

｢もうっ！！どうしていつもいつもそーやって！！！私ばっかりユンギが好きで！！ほんとにユンギは私の事好きなの！！！？？｣

そう言って、私は顔を下に向けた。

そう、この男はいつもそうなのだ。

冷たく、私なんて召使いのように扱う。

きっと私の事なんて眼中になくて、黙って作業をしていても、ご飯が出てくる場所くらいにしか思ってない。

しばらくの沈黙の後、ハァ…と目の前で聞こえる大きな溜息に、思わずビクリと肩を揺らす。

｢ご、ごめんユンギ、まためんどくさいこと言った…ごめん、ご飯作ってくるね、ごめん、だから嫌いにはならないで…ほんとにごめん。｣

ユンギもユンギで毎回冷たいが、私も私でなんて毎回めんどくさいんだろう。

自分がめんどくさいなんてわかり切っているが、止められないのだ。

不安で仕方がないのだ。だって私は、ユンギのことが大好きだから。

何も言わず、ただ不機嫌そうなオーラを出して佇むユンギが怖くて、

｢じゃあ、ご飯作ってくるから…｣

そう言ってユンギに背を向ける。

するとどうやらまた椅子に座って作業を始めたようでカタカタと何かをする音が聞こえる。

思わず、涙が出そうになった。

(こういう時って、引き止めるもんじゃないの？？？)

別に、期待はしていなかったが、少しは考えてしまう乙女心を許して欲しい。

邪魔をしないようにそっとドアを閉めて顔を下に向けると

ほろりと控えめに、涙が一筋頬を辿った。