悪い男にはご注意を。 (ページ40)

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37話ページ40

「はい、完成！」

とオンニが声をあげたのはドンへくんとの約束の20分前だった。

恐る恐る鏡を見れば、そこにはさっきまで疲れ果てていた私の顔はもうなくて

「別の人…みたい。」

キラキラと輝いた鏡の中に映る私は、まるで魔法がかかったみたい。

「あんた、元がいいからね。ほら、少し自信ついたでしょ？」

そう言ってニカッと笑うオンニはとても素敵だった。

「はい…ありがとうございます…。」

そう言って私もオンニに笑いかければ

「あー、これはドンへくんもやられるわね…笑」

なんて意味のわからないことを言い始めた。
私はよく意味がわからなくて少し考え込んだけど、最終的にまぁいいやという考えにいたり←

ふと時計を見ればもう約束の10分前。

「あ、オンニ、私そろそろ行きます。メイクと服、ありがとうございました。服、明日返します！」

「いーのよ。もらって笑」

「でも…」

「いーの！ほらさっさと行きなさい笑」

ニコリと笑いながらそう言うオンニにポンッと背中を押され、私は

「あ、ありがとうございます！！」

と少し叫び気味の声を出しながら待ち合わせ場所へと駆け足で向かった。

今日は私はつくづく、周りの人物に恵まれているんだなって実感できた。

「みんなに助けてもらったんだ。きちんとケリをつけなきゃ。」

そう口に出してみると少しだけ足取りが重くなる。

話し合うのは、とても嫌だ。
彼が、どう思ってるかを聞くのが怖いから。

そんな自分の弱さで、

いつも彼にあったら揺らいでしまう決心だけど

今日は、みんなのおかげで

「揺らがない気がするの。」

本当にそんな気がする。

みんながついていてくれる。

そう思えば、私の足取りは少しだけ軽くなった。