悪い男にはご注意を。 (ページ17)

今日:1 hit、昨日:13 hit、合計:242,638 hit

16話 DHside ページ17

ヌナと、ヒョンがキスをした。

ヌナが走って出ていってからやっと状況がつかめて、ヒョンに

「ヒョン！！ヌナになにするの！？ヌナは俺の…」

彼女だよ。そう言おうとしたけど

いう前に鈍い痛みが俺の頬を襲った。

「彼女ってか？何が彼女だよ。あんなに泣かせてるくせによくそんなこと言えるな。」

そういったヒョンの顔は、まるで自分が苦しいかのように歪んでいて

「お前がちゃんとしねーからアイツが泣く。お前なら大事にすると思ったから任したのに。俺の見込み違いかよ。」

もう俺はわけがわからない。

「わけがわからねーって顔してんな。ま、キスする場所は考えろってことだよ。じゃ、俺先行くわ。」

そう言ってヒョンは出ていってしまって

「キス…もしかして、見られて、た？」

自分の顔から血の気が引いて青ざめていくのがわかる。

そんな俺にヒョクはさっと近づいて

「ほっぺ、赤い。メイクで隠してもらえ。帰ったらちゃんと話聞かせろ。」

優しく俺に話しかけてヒョンのあとを追った。

「ヌナが、泣いてた？俺の知らない所で？」

いつも、何回浮気しても、何も言わずに嫉妬一つしてなかったヌナが？

俺とあのこのキス一つで？

もし、今までずっとそうやってほかの人の前で泣いていたのだとしたら

「俺は一体、何がしたかったんだ…。」

ただ、ヌナに俺の方を見て欲しかっただけのはずなのに。

「ごめん、ヌナ…。」

もう聞こえるはずもなければ許してもらえるはずのない謝罪をポツリと呟やくと自分の馬鹿さ加減に呆れて

少し目の前の景色が歪んだ。