悪い男にはご注意を。 (ページ13)

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12話ページ13

ヒチョルの腕の中が落ち着く。

同い年のはずなのに、こうも落ち着き具合いが違うのか。

「…ヒチョル、オッパ？」

自分で言ってみて少し恥ずかしかったけど

チラッと見たヒチョルの顔がすごく真っ赤で可愛かったから、これからたまに言ってみよう←

「ヒチョル、ほんとにありが……」

「ヌナ！？ヒョン！？なにしてんの！？」

ありがとう。そう伝えようとしたところにスーッごく大きな声で叫びながら走ってくるヒョクチェ君。

ヌナ、お礼言いそびれたじゃないの。

「だめだよヒョン！いくら仲良くても…ってヌナ。また泣いたでしょ。」

チラッと私の顔をみたヒョクチェは涙のあとに気がついたのか、それともぐちゃぐちゃのメイクに気がついたのかはわからないけどそれ以上は何も言わずにそっと頭をポンポンとしてくれた

「ってか、ひっでーかお。笑」

「確かに、ヌナちょっとやばいよ笑」

ほら鏡。と私よりも女子力の高いヒョクチェから鏡を受け取り覗いてみると

「ありゃ、これはひどいや…笑」

2人に言われるのも無理はないくらいひどい顔だった。

「ま、そんだけ泣きゃ、今日はもう大丈夫かもな。じゃ、俺とヒョクチェは仕事行くわ。今度はなく前に連絡しろよ？」

「うん、ありがと。ヒョクチェも、走ってきてくれてありがと笑」

「やー。なんもしてないよ笑」

そう言ってふたりは手を振りながら歩いていった。

さ、私もそろそろ仕事行かなきゃ！
その前にメイクなおさなきゃなー。なんて考えながら歩いていると

今日何度目かの後ろに引っ張られる感覚

「A、忘れ物した。」

そう言ってヒチョルは私の唇のすぐ横にチュッと唇を押し当てて

「これで今日は、俺のことしか考えれねーだろ？笑」

そういたずらに笑って今度こそヒョクチェの方へと走っていった。

「な、なによあれ。」

メイクがぐちゃぐちゃなのも忘れて1人廊下で唇の横を抑えながら立ち尽くしていた。