悪い男にはご注意を。 (ページ33)

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31話 DHside ページ33

反則だ。反則だ。

ヌナの笑った顔をまともに見たのは何ヶ月ぶりだろう。

ヘナヘナと力なくその場に座り込めば、一気に顔に熱が集まってきて。

「なんだよあれ、俺ってホント何も見えてなかっただけ……」

ヌナの笑顔は、ひとつの曇もなくて綺麗で

まるで、俺のことを好きだと全身で表すような笑顔で。

それプラス愛してるのおまけつき。

「もうあんなの見せられたら……離してやれないよ。」

「へぇ、誰を離さねーんだよ。」

「そりゃもちろんヌナ……」

声の主を見ようとパッと後ろを振り返ればそこに立っていたのはヒチョリヒョン。

「ヒョン…」

ヒョンと俺の間に流れる微妙な空気。
そんな空気をぶち破るかのようにヒョンは俺に

「何お前。浮気やめたのかよ笑」

と傷口をえぐるようなことを聞いてくる。←

「ほんとに…反省してる。だから！ヒョンにはヌナを…Aは渡せない。」

そう言ってヒョンのことをじっと見つめれば

「は？俺に渡す？あいつを？爆笑」

といってヒョンは大爆笑し始めて…

え？大爆笑！？

「え、だってヒョン…ヌナのこと…」

イマイチ状況がつかめていない俺。←

「あんくらいやんねーと、お前ら動かねーだろ？笑あいつにはあとからちゃんと話すよ笑」

もう道踏み外すんじゃねーぞ。

最後にそう言ってヒョンはヌナたちが言った方向へ去っていってしまった。

しばらくポカーンとして頭を整理してわかったこと

「え、つまり俺って…ヒョンの思ったとうりにうごいて、る？笑」

ということと、ヒョンは俺のためにあそこまでやってくれたこと。

自分の不甲斐なさとアホさに少し笑えてきてしまったけど

「ヒョンのおかげで大事なものに気づけたもんな…」

ありがとう、ヒョン。

ヒョンの大事なヌナ、今度こそちゃんと幸せにするよ。

小さな決意を胸に、俺はヒョンたちの方へとかけて行った。