俺の彼女が毎朝変な起こし方をしてくる件について (ページ6)

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五日目の起こし方ページ6

〈芝健side〉

ｸﾞﾗｸﾞﾗｸﾞﾗ…

あれ、俺の体揺れてる？

まりん:「おい、健！はよ起きろ！！練習だ練習！」

はぃぃい！まりんさん！！

慌てて起き上がるもののまりんの姿は見当たらない。
それに……

芝:「逢恋、それで隠れたつもり？」

逢恋:「あちゃー、やっぱり間に合わなかったかぁ」

俺が飛び起きて急いでベッドの下に隠れた逢恋の足はほとんど外に出ている。

逢恋:「おはよう、健」

芝:「おはよう。って、そういやまりんは？まりんの声が聞こえた気がしたんだけど」

それに「練習」って言ってた。一体俺はどのくらい寝坊したのだろう。

逢恋:「ふふっ、それはねぇ…」

ベッド下からもぞもぞと身体を出してスマホを差し出す逢恋。

芝:「動画…？」

逢恋:「そう！どう起こしたら健がビビるかなーってまりんに聞いたら、「俺の声と遅刻した感出せば飛び起きる」って！！だから、この前動画にしたんだ〜これ」

確かにまりんの声は俺をシャキッとさせるし、俺が練習に遅れるなんてありえないから飛び起きるに決まっている。

だけど……

芝:「ねぇ、逢恋。これ、いつ撮ったやつ？」

逢恋:「6日前くらいにまりんと遊んだ時だったかなー？」

遊んだ…まりんと。
その情報聞いてないぞ。

しかも、その日はまりんが練習に遅れた日だ。

逢恋:「健？どうしたの？って、おわぁっ！」

俺は逢恋を引き寄せベッドの上に戻し、後ろからハグをした。

逢恋:「健？」

芝:「いや、ごめん…。顔見ないで…今まりんにすごい嫉妬してる…」

逢恋と出会ったのはアナタシアを結成した頃だから、初期メンバーであるまりんやハネルとは親しいのは当然だが…

芝:「あー、まりんが練習に遅れた理由問い詰めときゃよかったな。こんな寝起きに聞かされるなんて……」

俺は逢恋に顔を見られないように枕に顔を埋めたまま言う。

逢恋:「健…ごめん。先に言わなくて……」

逢恋のトーンが少しずつ下がっていく。
あぁ、もう！そんな落ち込ませるつもりじゃないのに！！

芝:「逢恋、こっち見て？」

ゆっくりと体を捻ってこちらを向く逢恋のおでこに軽くキスをした

逢恋:「！？！？！？」

芝:「ごめん。落ち込ませるつもりじゃ…。俺も自分がこんなに嫉妬深いなんて知らなかった……」

逢恋:「嫉妬…してくれたの？安心してよ健。健は私の唯一の王子様だよ」

真剣な表情で王子様とか言われるとまた枕に顔を埋めたくなる。