二十八日目の起こし方 ページ31
〈芝健side〉
(ｼﾞｬﾗ…)
その「もの」はまず前から俺の喉をとらえ、それを操作している人間の手が頬にあたる。
そして次には手を首の後ろに回して「もの」に完全に首を支配されることとなった
ひやっと冷たい感覚…
「(殺される―――！？)」
(バッ！)
逢恋:「うお！？びっくりした！！健、そんな勢いよく起きてどうしたの！？」
芝:「はっ…逢恋？俺の首……」
逢恋:「あ、ごめん…。起こすつもりはもちろんなかったんだけど…サプラ〜イズ！ってなるかなぁって思って」
ん？サプライズ？？
慌てて俺の首を支配する「もの」を手に取ると…
芝:「逢恋、これ……！！」
逢恋:「サプラ〜イズ！ってね？もうすぐ記念日になるから、逢恋様からのプレゼント」
そのネックレスの先についた石は、緑色の中に赤やオレンジ、黄色といった様々な色がホログラムのように入り交じっている美しい石だった。
ただ単純に美しいと思った。
でもこれ、エメラルド…じゃないしな。ペリドット？ こんな石を見たことがない俺はこの価値さえも分からないが、逢恋からの贈り物は全て特別なものになる。
芝:「逢恋？」
逢恋:「ん、どしたー？」
芝:「いつもありがとう」
逢恋:「え、急にどうしたのww」
芝:「いや、ちゃんと感謝伝えたことないなーと思ってさwww」
逢恋:「ふーん？あ、朝ごはん出来てるよ。早く準備していこ？」
逢恋は何か言いたげだがあえて隠しているような不思議な表情で部屋をあとにした。
―――――――――――――――――――――――――――
2人:「いただきます！」
.
.
.
逢恋:「健、そういえばさ」
芝:「ん？」
逢恋:「その石、『クロムスフェーン』の石言葉知ってる？」
芝:「いやぁ、分からんなぁ？てか、その石の名前知ったのも今なんだけどwww」
逢恋:「いや、早く言ってぇ！？伝わるかなぁって思ったものも伝わらんやん！」
芝:「やっぱり逢恋の口から聞くのがいいと思いまして(￣^￣ゞ」
逢恋:「そっかそっかぁ。じゃあ1回しか言わないから、よく胸に刻んでおきな？クロムスフェーンの石言葉は………」
芝:「えっ……」
逢恋も俺も顔が赤く熱くなっているのが分かる。いや、照れるなぁこれ。
これからもずっと一緒にいていいんだ…
俺も逢恋への想いは変わらない
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
クロムスフェーン
石言葉:「永久不変」
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作者名：わさび | 作成日時：2020年10月10日 23時
