俺の彼女が毎朝変な起こし方をしてくる件について (ページ20)

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十八日目の起こし方ページ20

〈芝健side〉
ピピピピッピピピピッ(目覚まし音)

おっ、今日は俺の方が早く起きれたぞ。
毎朝早起きだもんな。

いつもイタズラされてるから今日はこっちがなにかしてやろ。

とか思いつつも寝起きの俺はなかなか目が開かない。ので、顔洗って歯磨きをしてぱっちり目覚めさせることにした。

体を棚やら壁やらにぶつけながら洗面所に移動する。

ここで俺は選択を誤った。

いつもなら洗顔から始めるところを今日は何を思ったのか、歯磨きから始めてしまった。

寝ぼけたまま歯ブラシに歯みがき粉をつけた。

…はずだった。

(ツーン)

芝:「いやぁ！えっ、何？ワサビ？コレ！」
目が開いていなかったのでいつもより色が緑なことに気づかなかった。

逢恋:「これで目はぱっちり開いたかい？健。ついでに鼻通りも良くなったかなぁ」

芝:「うおっびっくりした。おはよう逢恋。」

ちなみに鼻通りは良すぎてむしろ鼻水が止まらない。

どうやら逢恋は寝たフリをしていて、俺がドタバタと洗面所に向かっていくところを笑いを堪えながらこっそりとついてきていたらしい。

やっぱり逢恋の方が一枚上手だ。

逢恋:「でも、なんで今日はそんなに目が開かないの？いつもぶつからずに行ってるのに」

それはいつも逢恋がクレイジーな起こし方をしてくるからだよ！！

ふと俺は日頃思っている疑問を投げかけてみた。

芝:「前は俺が起こしてたけど、逢恋はなんで最近起こしてくれるようになって、しかもこんな感じの起こし方なの？たまにはゆっくり寝てていいのに」

逢恋:「それは…」

やってしまった。逢恋の顔が一瞬にして暗くなる。早起きを否定するような言い方だったもんな、俺。

しかし逢恋の顔が元に戻るのも一瞬だった。

逢恋:「いつも疲れて帰ってくる健だけど、朝には元気で笑顔になって仕事頑張れるようにって思ってるだけだよ！さ、ご飯ご飯！」

俺が朝には元気で笑顔…か。
そうか、夜は練習に行ったりで疲れきってて自分では元気なつもりでも逢恋には分かっちゃうんだな。

芝:「逢恋」

逢恋:「んー、どうしたー？」

芝:「毎朝ありがとう！」

逢恋:「おやおやー？朝だけじゃないんだけどなー！まぁいいでしょう！今日は準備するの遅かったから簡単なものだけどご飯できたよー」

俺の歯磨き粉と化してたわさびが刺身と共に出現したのは言わずもがな。

食卓に歯磨き粉チューブが並ぶという異様な光景は今後もう見ることはあるまい。