十日目の起こし方 ページ12
〈芝健side〉
んん…寒い。
気づけば布団がベッドから落ちてる。
逢恋が起きた時に落としたのかな
秋の朝は結構寒いのよ…掛けてよ……
逢恋:「いーち、にー、さーん、しー………」
芝:「おはよう、逢恋」
逢恋:「あっ、おはよう。ごめん、起こしちゃった？」
芝:「ちょっと寒くて起きちゃっただけよー！って、何してるの…」
逢恋:「何って…ほくろ探し！」
「ほくろ探し」とはまた何故そんなことを考えつくんだ…
俺でも思い出せないほくろの位置まで数えているようで、というか絶対見えない背中側を数えていた。
そりゃ、寒いよね…
芝:「逢恋、悪いけど毛布を取ってくれませんか…。すごい寒くて…ﾊｯｸｼｮﾝ！」
逢恋:「あっ、ごめんね？？まだ寝るの？なら、私も入れてー」
芝:「うぉっ！？」
毛布を被ると同時に逢恋もベッドに入ってきた。
しかし、俺の背中のほくろを数えてたまま入ってきたため、逢恋の冷たい手が背中に直接当たった。
芝:「待って待って！冷たいから！早く服被せて！！」
逢恋:「いやぁ、私の手が温まる方がプラスになるじゃん？」
なるじゃん？じゃないのよ…
なんでそう思ったよ…
逢恋:「はい！私の手が温かい方が朝ご飯のレベルと調理スピードがあがると思います！」
芝:「朝ご飯のレベルは常に高いので問題ないです！調理スピードは、今日は午後からしか予定がないからゆっくりでいいのに、というか…」
逢恋もベッドに入って2度寝するなら、スピードはいらないんじゃ？
そんな話をしている間に、逢恋の手は温まったし俺の背中も慣れてきた。
芝:「今日は逢恋も2度寝モードに入るのかい？」
逢恋:「へっ？あ、違うよ！これは……」
あ、この反応は。
また、珍しい逢恋の甘えたがやってきたな
逢恋:「ごめんなさい！健の寝てる時の体温が好きで、起きちゃったけどもっかい味わいたいと思って……」
芝:「あら？今日は素直ね？しょうがないなぁ…」
逢恋:「あ、ちょ、もう…健、！」
俺は逢恋の後ろからハグをして、
芝:「ほら、これなら温かいでしょ？」
逢恋:「あ、温かいけど…眠くなって…き、そう……」
――――――――――――――――――――――――――――――
逢恋:「健、健！！起きておきて！！」
あれ、いつの間にか2度寝しちゃってた…
逢恋:「そんな場合じゃなくて！もう13時だから！」
あ、これやったわ
1時間の遅刻の上バスも電車も逃してしまった…
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作者名：わさび | 作成日時：2020年10月10日 23時
