俺の彼女が毎朝変な起こし方をしてくる件について (ページ11)

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九日目の起こし方ページ11

〈芝健side〉

ﾊｯｸｼｮﾝ…！！

寝起きから鼻がムズムズなんて今日は調子悪いな…
鼻炎薬どこに置いたっけ

それになんだか目も痒いな

秋も花粉が飛ぶのかい？

ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ…
まな板と包丁のリズミカルな音が聞こえる。

逢恋は既に朝ご飯の支度を始めているらしい

って、ちょっと待って。

芝:「逢恋…、玉ねぎみじん切りにするならキッチンでやってよ…。おかげで鼻はムズムズするし、目も痒くてかゆくて…」

逢恋:「あぁ、健おはよう。彼女が一生懸命ご飯の準備してくれてるんだ〜って考えたら早く起きれるかなーって思ったの」

逢恋は俺の枕元にまな板と包丁、玉ねぎを持ってきてせっせとみじん切りにしていた。

先程の鼻のムズムズと目の痒さは、玉ねぎを切った時の成分のせいらしい。

確かに早く起きなきゃなとは思ったが。
それ以上に息のしづらさで起きたというか…。

芝:「逢恋！点鼻薬取って！鼻が…大変なことになりそう」

逢恋:「はいはい、今取るからちょっと待ってて」

全くなんで鼻炎の俺にこんな鬼畜な起こし方をするのだろう。

芝:「ねぇ、なんで今日は玉ねぎのみじん切りなの？」

逢恋:「だって昨日健がさ、ハンバーグ食べたいって言ってたでしょ？今日は私も1日外でなきゃ行けないから、朝のうちにやっとこうと思って」

逢恋の起こし方には2パターンあって、1つはただ単に朝から笑いを誘って起こそうとするパターン。もう1つは何かメッセージ性や理由がある起こし方。

今日は後者の方だ。

後者の場合だいたいは俺のためにしてくれるのでありがたくはあるが…

芝:「そうか、ハンバーグって言ってたっけね。でも、鼻炎の俺にこの起こし方はさすがに鬼畜すぎるというか……」

逢恋:「ご、ごめんね？そんなつもりじゃ……」

そんなことはわかってる。

芝:「あー、今日の夕飯のハンバーグ楽しみだなー」

逢恋:「あー！今のあとからフォローってやつ！いいよ、とびきり美味しいの作るから腹ぺこで帰ってくるがいい！」

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芝:「ただいま」

逢恋:「お、おかえりなさい…」

ありゃテンションが低いな。日中外で何かあったのか？

逢恋:「ハンバーグは出来てるんだけど…あの、そのー……米を炊くのを忘れてました…」

俺の彼女はたまに抜けている。
まぁ、逢恋の美味しいご飯が食べられれば米などなくとも、箸は進むからどちらでもいいのだけど…