#嘘8 ページ9
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「A?珍しいね。Aから来てくれるなんて」
「今日は悟に愛されたい気分だったの」
「……可愛いこと言ってくれるじゃん」
入ってだなんて扉を開けられる。
まるで私はお姫様だ。…25の言う女の言葉だけど。
「何か食べる?」
「甘いお菓子とコーヒー」
「OK、椅子に座って待ってて」
かちゃりと食器の音が鳴る。
今日は昨日とは違い晴天でじりじりと太陽が照っていた。
「はい、ショートケーキにブラックコーヒー」
「悟は?」
「チョコケーキにカフェオレ」
「…カフェオレじゃなくて……その色はもう牛乳じゃない?」
苦笑混じりにコーヒーに手をつける。
悟の入れるコーヒーは心なしか甘く感じた。
「で、どうかしたの?」
「……何もないわ」
今日の嘘、2つ目。
「ふーん」
悟は根掘り葉掘り聞こうとしないところがとても素直だと思う。
「ほんと、悟は可愛いね」
「男に可愛いとか言わない方がいいよ?」
「可愛いから」
もぐもぐと頬張る悟を可愛いと言わずして何と言う。
「……Aは綺麗、だよね」
「へぇ〜」
にやにやしないでよと言われるが不思議と笑ってしまうので仕方ない。
コーヒーと爽やかが混ざった匂い。
部屋に漂う空気に家とは違った落ち着きを感じる。
…好きだ。
ずっと、ふたつを共有して。
正しいこととして、ここに入れたらいいのに。
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わらび餅のお兄ちゃん - とても面白く、楽しませていただきました。完結お疲れさまです。 (2021年7月21日 9時) (レス) id: 720510a825 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもんのティー | 作成日時:2021年7月20日 18時