#嘘7 ページ8
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「…おはよう」
「ふふっ、おはよう。傑」
寝癖凄いって笑う。じゅーだなんて焼ける卵。
朝の雨の空気は、暗く重いんだ。
肌に触れる外の生暖かい空気にため息と落ちる気分がついてくる。
「雨、だね」
「えぇ。今日一日中ね」
遠くに行ってしまった晴れに恋しさを感じる。
「頂きます」
「いただきます」
手を合わせ箸を手に取った。
ザァァァと窓に強く打ちつける雨に会社休みでよかったと思う。
「営業は大変だね」
「他人事だと思って…」
プルルル…
雨の響くここでは電話の鳴る音すら、目障りだ。
「…出なくていいの?」
「………出たくない」
「そっか。私が出ようか?」
揶揄い口調でそう言われて頼んでも良いかな、と返す。…させないけど。
電話の音が止んだ。
「今日はゆっくりしていいんじゃない、A」
「……傑も休みでしょ?」
「あぁ」
「仕事なんて忘れるぐらい愛してよ」
愛してだなんて言葉が簡単に出た。そんな自分を笑っていた。
私こそが愛していないのに。
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わらび餅のお兄ちゃん - とても面白く、楽しませていただきました。完結お疲れさまです。 (2021年7月21日 9時) (レス) id: 720510a825 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもんのティー | 作成日時:2021年7月20日 18時