How to save a life (ページ6)

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ー初療室ー

『内田さんが運ばれた？』

初療室内にワインレッドのスクラブを来た女性が入ってくる。背中には Heart surgery の文字がある。

白石「胸痛訴えて駅で倒れた。酸素投与と輸液で今は落ち着いたみたい。」

ストレッチャーで寝ている女の子を確認すると、間違いなくわたしの患者ー内田智花ちゃんだった。

額に汗が浮かんでいて相当辛かったのが分かる。

『ありがとう、助かった。』

適切な処置をしてくれた救命スタッフにお礼を言って、白石先生の横に立つ。

白石「これが運ばれた時にとった心電図と心エコーよ。どう？」

見せられたiPadで検査結果を確認する

『先月の外来時より悪化してる。大動脈弁の狭窄が進んでるわ。』

白石「そう。ご両親には連絡したから。もうすぐ、着くと思う。救命の一般病棟で良い？」

『うん、ありがとう。モニター着けて管理してくれる？』

白石「分かった」

ー救命センタースタッフステーションー

パソコンに座って、もう一度内田さんの心エコーを確認する。

『(血液がほとんど行ってない。狭窄が増してる。)
これ以上は本当に心臓が保たない』

「さっきの患者か？」

カーソルを動かす手を止めて後ろに顔を向けると
立っていたのは耕作だった。

『・・・大動脈弁狭窄症、オペしたいけど、本人は断固拒否してるから出来ない。』

「そうか。」

気まずい沈黙分かってる、この気まずさを作ったのはわたしだし、耕作がこの患者について話したい訳じゃないのも分かってる。

何て切り出そうか迷ってると、耕作が空いていた隣の椅子に座る。

「今日は当直か？」

『ううん。日勤・・・』

「俺も今日は帰れる。」

耕作はそれだけ言って席を離れた。

俺も今日は帰れるーつまり、話し合うから必ず家に帰って来いっていう意味だよね。

『はぁ～』

深いため息を吐くと、今度は緋山が座った。

「久しぶりだね、A！」

明るい声で話し掛けてくる。

『久しぶり。周産期センターにいたんじゃなかった？』

「そうなんだけどさ。人手が足りないって呼び戻されちゃって。」

周産期医療センターお産に特化した病院

そこで働いてた緋山に

産むかどうか迷ってる。どっちかと言うと堕ろしたいなんて言ったら、軽蔑されるのだろうか？

『救命も大変だね。頑張って』

「心臓系が来たら、Aにすぐコンサル回すから！」

『分かった、待ってるよ。』