How to save a life (ページ44)

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ー中央手術室内 3号手術室ー
戸瀬「5.5の挿管チューブ準備して～。

恭介くん、数かぞえるよ～。

ひとーつ
ふたーつ
みっーつ
・
・
・
ななーつ

はい、落ちた～。チューブ～」

鮮やかな手つきで挿管し、全身麻酔へと切り替える戸瀬。

白石「(すごい。麻酔導入に最適な7秒でオトした。まして子どもは大人と違って導入管理が難しいのに…)」

藤川「(すげぇ、噂通りの腕前だ。A曰く変人だけど、腕はピカイチ。Aがわざわざ電話して、術中管理の指名をするだけはあるな。)」

戸瀬「よ～し、(苗字'呼んでこ～い。」

戸瀬の合図で看護師が執刀医のAに準備が整った事を知らせにいく。

戸瀬「誰かと思ったら、Aの旦那じゃねぇか～。」

藍沢を見て独特の喋り方で戸瀬が絡み始める。

戸瀬「Aを落としたい男はいっぱいいたのに、お前と結婚しちゃったもんな～。お前恨まれてるかもな～」

緊張したオペのはずなのに、戸瀬のせいで何とも言えない空気が漂い始めてしまう………

Ns「(空気読んでよ、戸瀬先生！絶対今その話する空気じゃなかったでしょ！)」

『準備は良いですか？』

その空気を一蹴するかのように、ガウンと手袋を着けたAと加賀美が入ってくる。

『8歳男児マルファン症候群からの大動脈解離を発症。バーディーバーのため輸血ができない。循環停止法でベンタールを行う。』

Aの宣言で空気が一瞬にして変わる。

執刀医、麻酔科医、第1助手 ME. Ns. どのメンバーをとっても、超一流のメンバーばかり。

だが、これだけのメンツを揃えても可能性がほぼ無いという現実に変わりはなかった。

『超低体温膀胱音で20℃になったら教えてください。テンブレード(メス刃10番)』

運命のオペが始まったー

『スターナムソー』

加賀美「開胸器」

『鑷子、電メス』

加賀美「鑷子とガーゼくれ」

流れるようにオペ進んで行く。

ME「膀胱温 20℃になりました」

『(よし) 人工心肺 flow down 、続いて SVC スメアダウン。循環停止スタート。10分毎にコールしてください。』

Ns「わかりました、コールします。」

藍沢「(始まったな。タイムリミットは40分。何か策があるのか、A？)」

戸瀬「氷持ってきて～。気休めでも頭冷やして脳死を遅らせよう。」

藤川「すごい、難しいと言われる大動脈基部の剥離をたった3分かよ……」