How to save a life (ページ42)

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だが、現実は予想を超えてくる。
そしてその現実には常に選択が付き纏う。間違った決断をすれば、 100あった可能性が一気に0になる

ー救命センターー

「8歳男児道端で倒れている所を通行人が救急要請。意識レベルはJCS100です！受け入れ可能ですか？」

白石「受け入れます、運んでください。」

緋山「こんな昼間に8歳が道端で倒れてた？」

白石「そうね、状況が分からないけど…」

藍沢「頭やってる可能性があるな」

白石「そうね、藍沢先生お願い」

藍沢「ああ。」

そして救急隊によって患者が運び込まれてくる。

横峯「ライン取ります」

名取「FASTします……これ…」

全員がエコー画面を確認す

藍沢「大動脈解離か？」

大動脈解離は本来高齢者に多い。この年齢で解離を起こすのは非常に稀だ。この子は高エネルギー外傷でもない。では、何故？

灰谷「名前で検索したらうちの患者です。心臓外科の患者で、この子…マルファン症候群です！」

藤川「マルファン？血圧も低い…輸血しないと間に合わないぞ。誰かオーダー入れて。」

灰谷「ダメです、藤川先生…この子の血液型はバーディーバー…輸血ストックはありません！」

初療室に絶望的な空気が漂う。大動脈解離を起こしてるのに、輸血ができない？

藤川「輸血出来なきゃこの子は…」

全員の脳裏に過ぎる死という現実ー

藍沢「心臓外科のAに連絡しろ。主治医はあいつだろ。」

この病院で小児心臓外科医と言えば A Aだ。
一刻も早く彼女の判断を仰ぐべきだと救命は判断した。

『大動脈解離？分かった、すぐ行く！』

加賀美「どうした？」

『秦野恭介くん、大動脈解離で今救命にいる！』

Aの言葉を聞いて加賀美も同じように走り出した。

バーディーバーの血液はまだ確保出来ていない。
恭介くんに近付いてくる死の足音が聞こえた気がした。

『状況は？』

藍沢「血圧が90を切った。ショック状態だ。SpO2も酸素投与下で95%を切り始めた。」

恭介くんを見れば顔面蒼白呼吸は浅く耕作がバッグを揉んでいなければすぐに止まる。

モニターからは頻脈と血圧低下を知らせるアラームが鳴り続けてる。

加賀美「どうするんだ、A？血液はまだ確保できてない！」

初療室にいる全員の視線がA Aに集まっていた。
血液がない状況では、術中死かこのまま死を待つか
結果は同じだと誰もが確信していた。