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ガラス越しにオペの様子を見ると ちょうど耕作が男の子の頸部から鉄串を抜くところだった。


新海先生までいる 豪華な顔触れだな


「お疲れ」

オペに見入っていると 横から声を掛けられた。

『お疲れ様です、西条先生』


「藍沢と新海の2人で 首から鉄串抜いてるって医局で聞いて見に来てみたんだが」


『今さっき抜いちゃいました。』


「そうか。あいつら2人が揃うと 流石に早いな。」


『そうですね。先生もやりたかったんじゃないですか?』



タイミング悪く、抜く瞬間を見れなかった西条先生に悪戯っぽく聞いてみる。


「いやぁ、こういうオペは もう若い奴らに譲れる歳になったよ。」



今は脳外科の部長だけれど、若い頃はERで活躍された西条先生の事だ。この症例に興味があったから、わざわざ見に来たのだろう。


『本当ですか?』

「勘弁しろよ、A」



困ったように笑って 西条先生は去って行った。





ー胸部心臓外科 医局ー

わたしはゼリーを食べながら 次の症例の術式検討をしていた。

時計は16:30を指していた。


『(17:00になったら、暁人くんの様子を見に ICUへ行こう)』


パソコンで担当患者の検査結果を確認しているとポケットの中のPHSが鳴った


ppppppp

『はい、心外のAです。』

「救命の緋山だけど、佐倉暁人くんが心停止した」



自分の思考が停止するのが分かった…緋山は今 何て言った?

心停止? 誰が? 暁人くんが?


「もしもし A? 暁人くん、今からオペ室に移動する! A?」


『……わかった、わたしもオペ室に向かう』


何とか自分を奮い立たせて オペ室に向かって走り始める。

いつもよりも ずっと自分の体が重く感じた。


ー中央手術室ー

緋山「佐倉暁人くん 11歳 拡張型心筋症に心筋梗塞を合併してる。 肺出血がひどい」

橘「井上 抗凝固剤はどうする? これ以上 血が止まらん!」


井上「とりえあず 切って構わない。FFPもどんどん入れてくれ。 生きてなきゃ 血栓もくそもない」


藍沢「ACT測定します」



血圧が68にまで下がる。

緋山「おかしい 、血圧が上がってこない。ノルアド投与して」

白石「わかった」


藤川「血ガスチェックします」

橘「何で上がってこない? 藍沢 エコーやってくれ」

藍沢「わかりました。ベッド ギャッジアップしてくれ」



藍沢「心�苦に大量に溜まってます」




緋山「Aはまだ?」


最後の希望を探すように、緋山がオペ室の入り口に目を向けた時だった。

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設定タグ:コードブルー , 藍沢耕作 , 山下智久   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:water lily | 作成日時:2017年10月14日 23時

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