How to save a life (ページ19)

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『…はい、心外のAです。』

「救命の白石です。 A先生、あと5分で大動脈解離疑いの患者が運ばれて来るの。コンサル頼める？」

急性大動脈解離 A型なら緊急オペだ。

『大丈夫だよ、今から救命に行く。』

ー救命センター初療室ー

雪村「50代男性胸痛を訴えた直後に意識消失。血圧 80/52 HR92 先月の健康診断で大動脈瘤を指摘されてました。」

藍沢「ストレッチャーに移すぞ 1、2、3！」

白石「名取先生 Aラインとって！」

藍沢「末梢に1本追加してくれ。心エコーとCT急げ」

白石「たぶんA型だと思う。心外のA先生にコンサル頼んでる。オペ室に緊急オペの連絡して！」

横峯「わかりました」

『CT終わってる？』

初療室に入って近くにいた白石に声をかける。

「今戻って来たところだ。これが画像だ。」

白石に声を掛けたのに返事をしたのは耕作だった。
iPadを持って近づいて来た。

『間違いないね。ここ大動脈解離を起こしてる。A型だし、緊急』

加賀美「緊急オペだなオペ室にはもう連絡してるよな？人工心肺は要らないから早く入室できるようにオペ室急がせろ、フェロー」

いつの間にいたのか後ろから加賀美にiPadを奪われた。

白石「緊急で申し込んでるけど…」

『コンサルを受けたのはわたしよ！勝手な事しないで！』

「ついさっきまで座り混んでた医者の言葉なんか信用できないな。
この患者は俺が切る」

勝手なこと言わないでよ、何なのもう！

『ふざけないで。執刀医はわたしよ！』

名取「あの～オペ室から入室できるって連絡来ましたけど・・・」

加賀美「さっさと入室させよう。行くぞフェロー」

ー食堂ー

結局大動脈解離の緊急オペは加賀美が執刀する事になった。

頭に血が上っていたわたしは助手としてオペをする気には到底なれず少し遅めの昼食を摂るために食堂にいた。

メニューを見ても食欲は沸かずむしろ食べ物の匂いで吐き気は増すばかり……

悩んだ末に取ったのはフルーツと飲むヨーグルトだけ

空いている窓際の席に座る。
ボーっと外を眺めていると誰かが隣に座るのが分かった。

「それだけか？」

わたしのトレイに目を落としながら耕作が呟いた。

『朝よりは食べてる。説教するために来たのなら他の席に移ってくれる？』

思わず本音が漏れてしまう。緊急オペの1件でまだ気が立ってる事を改めて自覚した。