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『まだ しばらくは病院にいると思う。
手術記事 書かないと。』


「そうか。 あまり無理するな。

ただでさえ 今日はオペで立ちっぱなしだったんだ。 この後は座って作業してくれ、さすがに体に障る。」



『ありがとう。


あっ!夕食、外で食べて来てくれる?

気持ち悪くて、作れない……ごめんね?』



本当に都合の良い体だなぁと思うけど、オペが終わった途端に吐き気が戻って来るんだから。

まぁ でも、ママの事 気遣って オペ中は大人しくしてくれてたのかな? ありがとうね。


お腹の中の気遣いに感謝して 右手でゆっくりと数回 お腹を撫でた。



「気にするな。今は平気か?」


耕作にもこの子の気遣いを教えてあげようと思い、
嬉しさで顔を微笑ませながら 耕作を見つめる。



「?」


『普段はすっごい吐き気がするの。気持ち悪くて 食堂に近付けもしないくらい。


でもね? オペが始まると 吐き気がピターっと止まるの。


すごいよね?』


耕作はチラッとわたしにお腹に目をやった。



「俺たちの子だからな。

空気が読めるんだろ。」



耕作、それ本気で言ってる?



『さっき聞いたんだけど、胸腔ドレーンの指導でフェロー泣かせて、白石と言い合ったって?』



「………早めに帰れよ。」



それだけ言うと、耕作は逃げるようにICUを出て行ってしまった。



ああー、逃げた!!



『ま、いっか。』



視線を智花ちゃんから いくつか先のベッドに移してみると、長い髪を三つ編みにしたフェローの女の子と 若い看護師が まさに胸腔ドレーンを入れるべく準備している最中だった。








人の育て方なんか誰にも分からない。

悩んで 迷って 時には衝突する事だってある

そうやって親は子を育て 子が親を育てるのだ

きっと子育てに正解はないのだろう

正解なんて誰にも分からない





ドレーンを入れる様子を見終わって、智花ちゃんの側にあった椅子に腰掛ける。


パソコンにオペ記事を入力していると、ゆっくりと智花ちゃんが目を開けるのが分かった。



『良かった 智花ちゃん。』



ここから新しい人生が始まるー

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設定タグ:コードブルー , 藍沢耕作 , 山下智久   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:water lily | 作成日時:2017年10月14日 23時

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