How to save a life (ページ14)

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ー救命センター医局ー

救命医たちも食い入るようにモニターを見つめる。

中央手術室の術中映像がパソコンモニターで見れるようになっているからだ。

灰谷「すごい……開始15分しか経ってないのに
もう人工心肺に移行してる。」

緋山「さすがだね、A。」

白石「うん、１つ１つの手技がきれい」

ー中央手術室ー

『大動脈弁摘出します。この弁捨てずに生食に浸けておいてください』

Ns「(通常のロスはこの弁使わないよね？)
……わかりました」

『つづいて肺動脈弁を切除します。

ポッツ剪刀ください』

取り出した肺動脈弁を見て驚いた。まさか大動脈弁に比べてこんなに大きさが違うなんて。可能性を考えなかった訳ではないけど……

「どうする、A？肺動脈弁輪の方が大きい。」

戸瀬「これじゃロス手術できないぞ」

術前のエコー検査ではここまでの弁輪差はなかった

でも、問題ない。このパターンは想定済みだから。

『問題ありません。今野法に則って心室中隔に切開を入れて弁輪を拡大します。』

ー救命センター医局ー

藤川「取り出した肺動脈弁じゃ合わないぞ」

灰谷「ど、どうするんでしょう？」

藍沢「ロス今野法だ。そのまま肺動脈弁を移植するロス手術にアレンジを加え、大動脈弁輪を大きい肺動脈弁に合わせて切開して拡大する。」

緋山「ロス今野………その手があった。」

名取「すごいあっとう間に肺動脈弁を縫着していく。 (この執刀医動きに無駄がない)」

ー中央手術室ー

『肺動脈弁の縫着終了

肺動脈弁の置換術に移ります。』

肺動脈弁を大動脈弁として移植したことで

今の状態では肺動脈弁がない状態だから今度は肺動脈弁を付けないといけない。

本来ならここで人工弁を使うけど、それだと将来的に再手術の可能性が出てくる。

『初めに取り出した大動脈弁をちょうだい。』

Ns「は、はい。」

取り出した大動脈弁にメスで丁寧に切り込みを入れて処置をしていく。

大動脈弁としては役に立たなくても、血流の圧が小さい肺動脈の弁としてなら機能できる。

「ルートスイッチ法か…考えたな A」

『彼女がオペに踏み切らなかったのは人工弁を使う事による将来的な再手術が原因でした。

でも、生体弁(本来ついていた大動脈弁)を使えば再手術の可能性はなくなります。』

これで彼女の問題はオールクリア