女だけど太宰として生きてやるっ！【文豪ストレイドッグス】

突っ込み不在と仕事の話 ページ6

さて、そろそろ安吾が来る頃かな




坂口「織田作さん……今のそれ、突っ込む所ですよ」




入口の方から学者風の出で立ちの男が入ってきた


彼は坂口安吾、マフィアの専属情報員だ




坂口「織田作さんは太宰君に甘いんです。太宰君の台詞の三つに二つくらいは金槌で後頭部を叩いて突っ込むくらいでないと、収拾がつかなくなりますよ。ご覧なさい、バー全体がツッコミ不在の亜空間と化している。マスターなんて細かく震えています」




チラッとマスターの方を見るとグラスを拭きながら微かに震えている


……私だけが可笑しいみたいじゃないか


まあ否定はしないけどね




『やあ安吾！暫く見なかったけど、元気そうじゃあないか』


坂口「元気なものですか。東京出張からたった今帰ってきたばかりなんです」


『日帰りの？』


坂口「ええ。古新聞みたいにくたくたです」




私の隣に座りながらいつもの酒を頼む


流石はマスターと言った所か、直ぐに出てくる




『いいなァ出張。私も遊びに行きたい。マスター、蟹缶おかわり』


坂口「遊び？マフィア全員が貴方のように暇潰しで生きている訳ではないのですよ太宰君。勿論仕事です」


『私に云わせればね、この世に存在する凡てのものは死ぬまでの間の暇潰し道具だよ。それで、仕事って何の？』




安吾は少し間を開けてから魚釣り、答えた


勿論魚釣りは隠語で、密輸商品の買い付けの事


しかし、今回はあまり良い収穫はなかったようだ

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