98. らしくない ページ8
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二宮「…何だよあれ。」
「はい？」
二宮「 "はい？" じゃねーよ、急に暴走しやがって。」
只今、保健室にて絶賛説教中。
「もういいじゃないですか、"合格" って言ってくれたんだから。」
二宮「まぁ、卒業まで学校以外で会うのは禁止だけどね。」
"合格" とは言ってくれたものの、やっぱり条件付きで。
その条件は、"卒業するまで学校の外で会うのは禁止" というもの。
「今まで通りじゃないですか。」
二宮「そーだけど。」
何を拗ねてんだか、さっきからずっと口を尖らせたまま。
二宮「お前はあと一年も我慢出来んのかよ。」
私だって…
今すぐにでも "私の彼氏は二宮先生です" って、声を大にして言いたい。
"校長先生" という壁を乗り越えたのに、手を繋いで歩くことさえも許されないのか…なんて思う。
まぁ、しょーがないって分かりきってるから。
「…出来ますよ。」
二宮「…あっそ。」
"出来る" じゃない。
やらなきゃいけないんだ。
先生が "守る" って言ってくれたんだから。
「二宮先生？」
二宮「あ？」
素っ気ない返事のあと黙り込んでしまった先生を呼べば、振り返る。
「…せんせ、」
私がここで先生に恋してたあの頃。
先生に "好き" って気持ちを伝えたあの日。
叶わないって分かってるのに、それでも何かにしがみついていたくて。
悲痛の叫びみたいに、がむしゃらに先生の名前を呼んだあの日。
二宮「…何だよ。」
先生は、"先生" と呼べば振り返る。
それだけの人だった。
他の生徒と同じように優しく接してくれて。
時には厳しくも的確なアドバイスをくれて。
それだけだったのに…。
「…好きです。」
今はその瞳に、私だけが映ってる。
先生が目の前にいる。
もうそれだけで十分幸せだ。
二宮「…知ってるよ。」
「ですよね(笑)」
私の考えてる事ならなんでもお見通しだみたいな顔して、"ふん" って鼻を鳴らして笑った。
二宮「俺も好きだよ。」
「…ぇ、」
二宮「バケモンでも見るみてぇに(笑)」
そりゃそーでしょ…。
そんな、らしくない事…
急に言ってくると思わないじゃん。
「ほんとに心臓に悪いバケモンですからね！」
二宮「は？(笑)。二度と言ってやんねー。」
その方がむしろありがたいですっ！
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卯奈(プロフ) - キュンキュンして微笑ましいお話でした。とても面白かったです！だけど潤くんはどうなったのですかね？ (2018年4月7日 23時) (
レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ame | 作成日時：2017年2月9日 14時
