97. 嘘偽りのない気持ち ページ7
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校長「一つだけ聞きたい事がある。」
「…何ですか？」
二宮先生には "隣にいるだけでいーから" って言われてたけど。
こんな私でも、先生を最後まで守り抜く覚悟はある。
それだけは伝えようと思ってた。
……けど…。
校長「君は和也のどこに惚れたんだ。」
「…ぇ、」
校長先生の口から流れ出る言葉は、誰がどう聞いてもごく普通の問い。
……本当にお父さんみたい。
って、嘘じゃないんだけどさ。
「…二宮先生は…」
二宮先生の事を語るなんて、私の得意分野で。
テストがあれば、きっとどの教科よりもいい点が取れる思う。
でも…
「先生とは思えないほど意地悪だし、正直最初は嫌いでした。」
二宮「は？(笑)」
きっと校長先生は私を試してるんだ。
"優しいところ" とか、"かっこいいところ" とか。
そんなありきたりな理由じゃ、交際を認めてはくれない。
「ほんっとに天の邪鬼だし、素直じゃないから "好き" なんて滅多に言ってくれない。」
二宮「おい、お前な、(笑)」
なら、どうすればいい？
私に出来る精一杯の事をすればいい。
私の取り柄は嘘はつかないとこ。
「私はもっと先生の力になりたいのに…。
いつだって何だって自分一人で決めて、私には何の相談もしてくれない。」
本当の事を話せばいい。
私にとって二宮先生がどれほど大切な存在かを、伝えればいい。
「頼りないかもしれないけど、私は先生の支えになりたいんです。」
校長先生の問い掛けとは全く関係ない答えで返した私に、驚いて声も出ないこの親子。
でも、つまり…
「先生の好きなとこなんてたくさんあります。"どこに惚れたか" と聞かれても答えられません。」
校長「…そうか。」
「もちろん嫌いなとこだってあります。
でも私は、そんな二宮先生の嫌いなとこすらも愛おしいと思ってしまうんです。」
惚れた腫れたの話どころじゃない。
先生が私の事をどう思ってるかは、先生にしか分からないけど。少なくとも私は、こんな風に思ってるんですよ。
−−−…二宮先生。
校長「さすが私の息子だ。見る目があるな(笑)」
二宮「…ぇ、」
校長「…合格だ。」
「…っ、ありがとうございます！」
校長先生のまさかの返答に、隣で驚いてる二宮先生を見上げれば。
左の口角を上げて笑った。
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卯奈(プロフ) - キュンキュンして微笑ましいお話でした。とても面白かったです！だけど潤くんはどうなったのですかね？ (2018年4月7日 23時) (
レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ame | 作成日時：2017年2月9日 14時
