94. 変わらない笑顔 S side ページ4
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二宮「…って、おじさんは仕事中でしょ(笑)」
智「ちぇ、バレた(笑)」
ブツブツ言いながら店の外に出てった智くんは、きっと"Open"のプレートを"Close"に変えてる。
俺らが来るたびにお店閉めてたら、そろそろ潰れんじゃねーかって心配になるけど。
智くんの "大丈夫だよ" は、本当に大丈夫な気がしちゃうんだよ。
二宮「…ねぇ、」
きんきんに冷えたビールを喉に流し込んで。
ドンとテーブルに置いたジョッキの雫がテーブルに水溜りを作ったら。
ニノが真面目な顔して口を開く。
二宮「翔ちゃんならさ…」
ニノがそう言いかけた時。
"さみぃさみぃ" 言いながら、智くんが帰ってきた。
『…ニノ？』
二宮「んや、何でもない。」
言いかけた言葉を飲み込むように、ぐびっとビールを流し込んだニノの横顔を見つめてたら。
智「Aちゃんとこ、行ったの？」
またこの人。
俺の聞きたい事をさらっと口にする。
二宮「…いや、この後会いに行く。」
智「そっかぁ。」
『ニノ』
なら、俺だって。
半年間ずっと言いたかった事、言わせてもらうよ。
『ひとりで抱え込むなよ。』
二宮「……」
『もっと頼っていんだよ。』
さっき押し殺した気持ちも。
ビールで流し込んだ言葉も。
いつか。
話せる日が来たら、話してよ。
二宮「…ありがとね、翔ちゃん。」
智「俺もいるからね〜」
二宮「はいはい(笑)」
改めて乾杯の音頭をとると。
ぐびっと喉を鳴らしてビールを飲んだニノが、半年前と変わらない笑顔で笑った。
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ニノはあんま飲んでなかったけど。
俺はちょっと飲みすぎた。
まぁ…。
俺と同じぐらいしか飲んでないはずの、智くんが酔い潰れちゃってるけど(笑)
二宮「俺そろそろ帰ってい？」
『あぁ、早く行ってやんな。』
二宮「ん、ごちそうさん。」
店を出たニノの代わりに、外から入り込んできた風が冷たくて、帰りたくなくなる。
だからと言って、朝までここにいるわけにもいかねーから、寝ちゃった智くんを起こしにかかるけど…
起きる気配なんて全くねぇ。
『もう日付変わるじゃん(笑)』
時間を見るためにつけたスマホの画面。
そのついでに蒼井さんにLINEを送った。
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卯奈(プロフ) - キュンキュンして微笑ましいお話でした。とても面白かったです！だけど潤くんはどうなったのですかね？ (2018年4月7日 23時) (
レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ame | 作成日時：2017年2月9日 14時
