102. 感謝してる N side ページ12
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母さんの病気を治すには、でっかい総合病院に行く必要があった。
東京の総合病院だってよかったはずなのに。
わざわざ福岡まで来たのは、院長の和久井さんが母さんのお父さんだったからだ。
つまり、和久井さんは俺の祖父になるわけで。
まなさんは、母親のお兄さんの娘だった。
忙しい親父の代わりに、精神的にも面倒みてくれるし。
空気がいい方が母さんの体にもいいからっていう理由で、和久井総合病院に行く事にしたんだと。
二宮「まぁ、そういう事。」
黙って出て行ったのは、まだ小さかった俺のためでもあるんだろうし。
二宮「複雑すぎるよね(笑)」
母さんから真実を聞かされてからは。
こんな大人になるまで、そんな大切な事も知らずにのうのうと生きてきた自分に。
ただガキみてぇにずっと母さんを恨んでた事に。
罪悪感というか。まぁ、責任は感じてて。
二宮「俺だけ帰ってきて、俺だけ幸せになってもいいのかなって。」
母さんは "帰りなさい" って笑って送り出してくれたけど。
正直…、東京帰ってきても。
Aや親父に会わずに福岡に戻ろうか、まだ悩んでた。
二宮「でも、おじさんと翔ちゃんとこの店で飲んでたら、いろんな事思い出して。」
二宮「Aんとこ行ったの？っておじさんに聞かれた時、口が勝手に "この後会いに行く" なんて動いてた。」
会いに行って、彼奴の温もりを直にこの腕で感じたら。
もう離せなくなってた。
震える声で "先生" って俺を呼ぶ彼奴の唇を強引に塞いで、何してんだろって思った。
でもそれと同時に…
此奴を守らなきゃなんねーのは、この世で俺だけなんだって思った。
だから俺、今ここにいれる事にすげー感謝してんのよ。
次、福岡に戻る時は…
Aを連れて行こうって思ってるから。
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卯奈(プロフ) - キュンキュンして微笑ましいお話でした。とても面白かったです！だけど潤くんはどうなったのですかね？ (2018年4月7日 23時) (
レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ame | 作成日時：2017年2月9日 14時
