92. 夢じゃない ページ2
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「−−−…っ、会いたか、った…」
街灯の下で黙ったまま、勢いよくとびついた私を片手で抱き留めて。
反対の手で、頭をぐいっと引き寄せた。
もう春とはいえど、これからミッドナイトを迎える夜はまだ冷えて。
ちょっとだけ寒い。
けど、それとは裏腹に。
先生の胸に触れる頬が熱を持つ。
二宮「−−−…A。」
名前を呼ぶと同時に、すっと離された体にはまだ先生の熱が残ってるのに。
私と先生の間を通り抜ける冷たい風が、私の頬を伝った涙を乾かす。
「…っ、おかえりなさい！」
二宮「…ただいま。」
ふっと優しく笑って、先生の顔が斜めに傾いたら。
そのまま冷たい唇が重なった。
「…っ、」
逃げる私の腰をぐっと引き寄せて。
凍った唇を溶かすみたいに、何度も角度を変えて。
甘いキスを落とす。
「…んっ、」
ぺろっと唇を舐めて、"口開けて"と促す。
素直に開けた唇を割って入ってくる、先生の熱い舌について行くのに必死で。
ふにゃふにゃになった体は先生の腕に委ねた。
「…っ、」
二宮「……A。」
ちゅっと、わざとリップ音をたてて離れた唇が動いたら。
それと同時にぎゅぅぅっと抱き締められた。
「…先生、…好きです。」
二宮「…あぁ、知ってる。」
いつもの返事。
"好き"なんて言葉はなくても。
私の事なら何でも分かってくれてる先生が好き。
「…ですよね(笑)」
言葉は冷たいし素っ気ないけど。
私を抱き締めるこの腕も。
髪の毛をくしゃって掴む大きな手も。
首筋にかかる吐息も。
嘘じゃないって分からせてくれる先生が大好きです。
二宮「−−−…朝、」
「…ぇ？」
二宮「朝、また迎えにくるから。」
抱き締めたまま喋るから、首に息がかかって擽ったい。
二宮「……一緒に校長んとこ行こう。」
−−−…校長。
二宮先生のお父さんだよね。
「…はい。」
先生が何を考えてるのか。
どんな顔をしてるのか。
私には分かんなかったけど。
二宮「……お前は俺が守るから。」
震える声の私とは正反対で。
何かを決意したような言葉にこたえるように。
先生の背中に回した腕に力を込めた。
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卯奈(プロフ) - キュンキュンして微笑ましいお話でした。とても面白かったです！だけど潤くんはどうなったのですかね？ (2018年4月7日 23時) (
レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ame | 作成日時：2017年2月9日 14時
