<ヴァンガード>～最強ファイターとPSYクオリア～ (ページ22)

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１７ターン目ページ22

『……トシキ』
「櫂)A、来てくれたか」
『うん。…で、今日はどうしたの？』
「櫂)……相談が、ある」
櫂の顔に悲しみとも似つかない色が浮かんでいた。
『……？』
「櫂)来い。まずは移動だ」

「櫂)入れ」
…ここはトシキの家？凄い…とてもキレイな家…
「櫂)まぁ、座れ」
ソファーに座ると、隣に櫂来て紅茶を渡した。
『で、話って何？』
「櫂)……アイチの事だ」
え？アイチのこと？何だろう…
「櫂)一昨日、ショップ大会があったんだ。決勝戦で三和がアイチと戦って、勿論アイチが勝ったんだが、その時、三和が言っていたんだ…」
ｰｰなんかあいつ変なこと言ってたな…カードの声が聞こえたとか…ｰｰ
『…………っ！？』
…それ、は……まさか…
「櫂)…俺は、これを見たことがある…」
『………雀ヶ森レン』
すると櫂の顔に驚きの色が浮かんだ。
「櫂)なぜ知っている？」
『…………』
「櫂)……話してくれないか？」
…………トシキには、伝えておかなければ…
『その力はPSYクオリア。』
「櫂)PSYクオリア？」
『そう。レンが持っている力。そして私、雍月、光も持ってる…』
「櫂)！？」
『PSYクオリアはね、カードの声が聞こえることは勿論、ファイトの時はカードがそのファイターを勝利へ必ず導くの。けどそのファイターへの疲労は半端じゃないし、その相手も傷つけ、自分の性格も闇へと堕ちてしまうとても恐ろしい力…』
「櫂)じゃあ、レンとアイチは…」
『レンはもう闇に堕ちてる。それも深いところまで…。けどアイチは…初期段階。かな。まだ闇には堕ちてない…けど、これが続けば、どんどん深い闇に堕ちていってしまう』
「櫂)止める方法はないのか？」
『…現段階では難しいな。堕ちるか堕ちないかはアイチが決めることだ。』
「櫂)………そうか。ならレンは…」
『……難しいな』
「櫂)性格が変わるって…お前らは大丈夫なのか？」
『私達は制御出来てるから…』
「櫂)…ありがとな。大切なことを話してくれて」
『大丈夫。…アイチを止められるのは、貴方だけ…レンを止められなかったことは忘れて。アイチを…お願い』
「櫂)A…俺は、お前をｰｰｰｰｰ」
『………トシキ？』
ぎゅう、と櫂がAを抱き締める。
「櫂)……お前は、堕ちないでくれ」
………
『………うん…』
大丈夫…きっと、平気。
貴方が…いるから。