僕が神に願うこと

願い16 ページ19

智樹side



ここに来てから数週間が経った。


他の人にもなれて、特に和泉守さんとは内番を一緒にやるようになった。


よく、兼さんと呼べって言われるけど、僕なんかがそんな馴れ馴れしく呼べないよ。



僕は元々練度って言うのが高いらしく、三条大橋に出陣してくれと言われた。



もちろん断る理由はない。








「本当に大丈夫？」


「はい。
足を引っ張らないように頑張ります」



初めての出陣だからか、すごく心配してくれる。


だからこそ、絶対に失敗出来ない。


ここでは、審神者さんがずっと狙っている明石国行と言う刀が稀に手に入るらしい。



どうせなら持ち帰りたいな。






考え事をしていたせいか、気づいた時には、周りには誰もいなかった。


「え、皆！？
どこですか！？」



見知らぬ場所にただ1人だなんて怖い。


そう思った時。



「……独りではなくなったんだけど」



敵と2人きりって言うのは望んでないな。



仲間を呼ばれる前に逃げよう。



僕は古風な街並みの中を走り抜ける。


人っ子1人見当たらない夜の街で、危険な鬼ごっこが始まる。

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