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市野二重 ページ22

カナside





前を行くこんのすけの足取りがだんだん重くなっていく。






この角を曲がったら広間があります、とこれまでの元気さをなくなしてしまったこんのすけが心配そうに俺を見上げて言った。







コク、と頷けば、彼はぱたぱたと走って先に角を曲がり、そして俺が追いつくよりも先に声を上げた。







「審神者様!
見習い様が参りました!」







入ってどうぞ、という声は俺が角を曲がるのとほぼ同時に聞こえた。







なんだ、こんのすけ。







外堀を埋めて俺を広間に入らせようとするなんて、もしかして怖気付くとでも思われたのだろうか。







だとしたら心外だ。








そもそも本丸に来る時点で相当嫌がってるからな、今更ってもんだ。








失礼します、ということは出来ないし、和室に入るときの作法のようなものも知らない。








柔らかそうな肉球で障子を開けてくれたこんのすけに伝わってるかは分からないが目礼し、広間に足を踏み入れる。








縦長の部屋








上座に座るのは俺を刺した女








その前に二列になって座るのはじいちゃんの、刀








俺がこんなんじゃなく、そしてこの本丸がこんなでなかったらじいちゃんについて語り合いたいところだが、残念無念、その願いは叶いそうにない。







室内でフードを被ったまま、というのは無礼な気もするが、俺が俺だとバレるのもまずい。








何か言われるまではこのままでいっか。







刀剣男士たちの前に並べられた机と障子の中間くらいに座って深く頭をさげる。








頭を上げなさい、と上からな言葉をいただき、従えば、上座に座っていたはずの女がいつの間にか立ち上がっていて、俺の数メートル先にまで迫っていた。







顔の大半は覆われているから表情なんて読み取れないと信じてはいるが、自分に何か不審な点はないかと焦る。







心の中は大騒ぎな俺のことなど知ってか知らでか、女は俺と人1人分距離を開けた場所に腰を下ろした。








「ああ、突然近づいたりしてごめんなさい。
ただ、あまり遠いとあなたの字が見えないから」








気遣いかよ警戒してすいませんでした。







なんだこの人いい人か?と一瞬で絆されんそうになるが気を引き締める。







きっと敵ではないと思ったやつを味方に引き込む、または油断させる作戦だな?








警戒心Maxな俺にむしろ微笑みつつ、女は手を差し出した。






「これからよろしくね、見習いさん」

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灰雪(プロフ) - 壬卯兎さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!とうらぶ小説一緒に増やしましょう!更新頑張らせて頂きます! (2017年12月14日 20時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
壬卯兎 - 面白いです!なんかもう、書き方から何まで凄く参考になります…これからも頑張ってください!&私もとうらぶ書いてるので一緒にがんばりましょう!更新楽しみにしています! (2017年12月14日 8時) (レス) id: 1ea793e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 苺パフェさん» ありがとうございます!狭いジャンルなので初めて読むと言われると嬉しいです!更新頑張らせて頂きます! (2017年12月12日 22時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - 面白かったです!初めて読むタイプの作品でした。大変でしょうが、続きがめっちゃ気になるので、更新、頑張ってください! (2017年12月12日 21時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 銀色ミカンさん» 応援ありがとうございます!更新頑張らせて頂きます! (2017年12月12日 19時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灰雪 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年10月10日 11時

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