じゅうろく ページ17
小夜side
「そっか……そうだよな……」
まるで僕がここの子じゃなければいいのにと言いたげな言葉。
部屋の前を通りかかったら苦しそうな声が聞こえて、心配になって入ってみたはいいものの何をどうすればいいか分からなかった。
兄様か薬研を呼びに行こうとすれば、痛い……、と、つぶやいたから放置する訳にもいかず、結局なにも話さないまま時間だけが過ぎていく。
僕はこの人に命令してまで聞き出したいことはないけれど、それがこの人のためになるのなら、この人の復讐の助けになるのなら、躊躇いなくやるのかもしれない。
眠くなってきたのか、少しずつ閉じていく瞼を見る。
綺麗な、透き通ったビードロのような瞳。
それが完全に閉じ切る前に僕は無意識に口を開いた。
「どこが痛いのか教えて」
パッと目を開けた彼はゆっくり起き上がりピンと背筋を伸ばして僕に向き直る。
こういう所は歌仙に似ているのに、と思いながら言葉を待った。
「……さっき、夢を見て
何が痛いのか分からないけど痛くて、忘れてるわけじゃないのに、知らないのに、何かが掘り起こされて暴かれるような感じがして怖かった」
何も分からない、知らない、でも痛い。
ただ、それだけ。
それだけのこと。
何処が痛いのか分からないから伝えられない。
何故痛いのか分からないから直せない。
困っている様子も痛がる素振りも見せない彼はそう言ってまた黙り込んだ。
「答えて。
あなたはその痛みをどうしたいの？」
「……さあな。
痛いのは嫌いだしなくなってほしいけど……分からない」
ごめんなさい、と小さく言った彼の手を掴んで立ち上がる。
「きて。
他の人と一緒にいたら痛いのを忘れられるかもしれない」
くい、と手を引っ張ると彼も立ち上がり、てきとうに布団をはじに寄せてついてきた。
「お小夜……と、篠の雪か」
「嫌な夢を見たらしいから気晴らしに連れてきた」
「……そうかい。
和泉守は新撰組の部屋にいるからそこに連れて行ったらどうだい？」
……歌仙、機嫌が悪いな。
空気がピリピリする。
まるで戦場にいるような……
戦場？
ここが本当の戦場になっていただなんて、気づいてももう、遅い。
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春霖(プロフ) - 杏梨さん» すいません！直させて頂きました！教えて頂きありがとうございます！ (2017年8月23日 18時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
杏梨(プロフ) - にじゅうきゅうわで、光忠が三津田になってますよー？ (2017年8月23日 18時) (レス) id: 478f0daf54 (このIDを非表示/違反報告)
春霖(プロフ) - Knightsを護る騎士でいたかった さん» 教えて頂きありがとうございます！ (2017年8月15日 16時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
Knightsを護る騎士でいたかった - 春霖さん» にじゅうななで「このまま」が「このまあま」になってますよ〜 (2017年8月15日 15時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
春霖(プロフ) - もやしさん» ありがとうございます！更新頑張らせて頂きます！ (2017年8月11日 15時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
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