さんじゅうに ページ4
篠の雪side
目の前には新しい審神者。
その奥にはレアな方々。
俺の横には遠征部隊の仲間。
なんだろう、これ。嫌な予感しかしない。
「新しくここの審神者になった麗奈よ。
よろしくね」
特別霊力が穢れている訳ではない。
綺麗な人ではあるし、話し方も普通だ。
だけど、この場にいる誰もが緊張していて、且つ、警戒している。
「そうそう、この本丸の全員に挨拶代わりに一つお願いしているのだけれど」
妖もたじろぐ正午の日差しの中、微笑んでいるのは審神者のみ。
「貴方達の本体をくれないかしら？」
そしてそれに笑い返せるのも俺1人。
「……主が望むのなら」
長いものにまかれろ主義者ではないけれどじっと待てばなんとかなる信者ではあるから。
逆らわず、流されず、そんな風に生きていけたらな、と思っております。
「篠の雪！
本体は命だと言っているでしょう！？
簡単に差し出さないでください！」
「そうだぞ。
出会い頭に命をあずけろなんて言う奴は信用ならねえ」
「……断る」
俺を止める宗三と好戦的な同田貫と大倶利伽羅、様子をうかがっている鳴狐と動揺している蜂須賀。
だが、俺以外は誰も本体を出そうとしない。
まずい、まずい、これはまずい。
なんでわかるかって？
そんなの決まってる。
背後に控えてるレアな方々の表情だ。
「同田貫、大倶利伽羅。
主の命令なんだからきくのは当然だよね？
早く出して」
頼むから、長谷部の言葉を思い出して。
(審神者の反感を買うようなことは)何もしないでくれって意味でしょ？
だけどそんな本気の懇願も相手にされず、結局本体を出したのは俺と蜂須賀と鳴狐だけ。
「……3人、ね。
まあ上々だわ」
ああ、審神者が嬉しそうに笑ってる。
不吉そうに影が騒めく。
審神者が立ち上がる。
俺を手に取る。
彼女が”俺”に何かすると思ったんだろう。
宗三がそれを止めようとする。
さらに俺がそれを止めようとする。
だけど無意味、意味も無し。
”俺”が俺をかすめ、”俺”は彼を斬る。
季節外れの花が舞い、吹雪の向こう側に消えていく宗三を見た。
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灰雪(プロフ) - いーとさん» 返信遅くなり申し訳ありません！ただ今書き溜めているところなので今しばらくお待ちいただけると幸いです！ (2018年4月22日 16時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
いーと - 作者様の作品、とても大好きです。更新楽しみに待ってます！ (2018年4月18日 15時) (レス) id: c41ce6be94 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし。(プロフ) - すごい面白かったです！笑笑戻って続きを書いていただけるのを楽しみにしてます！ (2017年10月11日 18時) (レス) id: de05c570c4 (このIDを非表示/違反報告)
無銘@しののんを推し隊(プロフ) - 退会……ですか。今まで合作をさせていただいたり作品を楽しく読ませていただいたりしていました。ありがとうございました！また会った時はよろしくお願いしますね！ (2017年9月25日 18時) (レス) id: 75d93086f0 (このIDを非表示/違反報告)
春霖(プロフ) - あくあっちさん» こちらの都合で退会することになってしまい申し訳ありません……。あくあっちさん、今まで色んな自作品にコメしてくれてありがとうございます。復帰した時にはまたよろしくお願いいたします！ (2017年9月23日 7時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
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