よんじゅうろく(一部修正) ページ18
篠の雪side
扉の向こう側は映画館のようで、階段状に並んだ客席の先に大きいスクリーンが設置されていた。
黒いシートの席が並ぶ中、１つだけ真っ白なシートの席が中央にスポットライトで照らされているのかと思うほど目立って配置されている。
また座れと見えない圧力を感じ、渋々腰をかければ全ての光源がなくなり、やがてスクリーンが明るくなっていく。
映し出された映像はひと昔前、いや、あれから60年経っているからふた昔前だろうか。
テレビの中でしか見たことのないフィルム映画のような画質の悪いその光景は、荒くても十分何が映されているのかわかるものだった。
舞台は本丸。
主演は俺。
脇役にレア太刀、そして相手役は審神者様。
滑稽なくらいに整えられた舞台の上で踊る己の姿に笑いがこみ上げ反吐が出る。
なんだよこれ、だなんて言わなくても分かっている。
これは意識を失った後の俺だ。
依然黒い霧を吐き出す刀を振るい、目の前の審神者に斬りかかっていく俺。
周りの奴らが制止する間もなく首を落とした俺はそのまま首無しの胴に刀を突き刺し、黒い霧を流し込んでいく。
いつの間にか黒髪、赤目になっていたが、その色の変化も徐々に戻っていき、元どおりになる頃には刀から出ていた霧もなくなっていた。
刀を引き抜いた俺はそのまま倒れ、レア太刀方に介抱される。
が、目を覚ますことはなく夜は明ける。
審神者に封印？されていたらしいこんのすけが政府に連絡を取り、俺が審神者を殺したことがばれた。
どうやら審神者を殺すのはご法度らしく、政府に連れて行かれた俺はそのまま刀解処分になったらしい。
本丸にもあった機械で一瞬にして溶かされた刀とともに俺の体も桜になる。
あれだけ望んでいたことのはずなのにこんな風に見せられては実感の１つも湧いてこない。
白一色のスクリーンを眺めながらぼんやりとこの後どうなるんだろうと考えていた俺は、次第に劇場が狭くなっていることに気がついた。
間に少なくとも20列以上あった座席は今や10列にまで減っている。
しかも、空間ごと抉り取られたかのように忽然と消えてしまうのだ。
逃げなければ、といいようのない恐怖に囚われた俺は席を立とうと腰を浮かすが、床から伸びた青白い手に掴まれて逃げることは叶わない。
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灰雪(プロフ) - いーとさん» 返信遅くなり申し訳ありません！ただ今書き溜めているところなので今しばらくお待ちいただけると幸いです！ (2018年4月22日 16時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
いーと - 作者様の作品、とても大好きです。更新楽しみに待ってます！ (2018年4月18日 15時) (レス) id: c41ce6be94 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし。(プロフ) - すごい面白かったです！笑笑戻って続きを書いていただけるのを楽しみにしてます！ (2017年10月11日 18時) (レス) id: de05c570c4 (このIDを非表示/違反報告)
無銘@しののんを推し隊(プロフ) - 退会……ですか。今まで合作をさせていただいたり作品を楽しく読ませていただいたりしていました。ありがとうございました！また会った時はよろしくお願いしますね！ (2017年9月25日 18時) (レス) id: 75d93086f0 (このIDを非表示/違反報告)
春霖(プロフ) - あくあっちさん» こちらの都合で退会することになってしまい申し訳ありません……。あくあっちさん、今まで色んな自作品にコメしてくれてありがとうございます。復帰した時にはまたよろしくお願いいたします！ (2017年9月23日 7時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
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