調子に乗らないでよ【悪女主】

25 ページ26

国見side





「嘘だろ…」




目の前の女が言い終わった時

それしか言葉が出なかった


それでも、前の2人は本当だと言っている


智香が椎名先輩の悪口??

そんなわけ…






『ん、あれ、椎名先輩じゃね??』

『あー、本当だ。何、昼誘う??』

『そうだ―――』

『でも!!A先輩忙しそうだし止めようよ!!』

『??そうか??んーじゃあやめるか』

『うんっ!!』




『金田一、お前そんなタオルもってたっけか』

『ん、ああ、椎名先輩がな。俺汗良くかくだろ??』

『なるほどな。さすが先輩って感じだな』

『だな!!』

『……』




『金田一君!!これ!!』

『ん??飴??』

『そう!!金田一君、最近汗良くかくでしょ??だから塩分チャージ!!』

『マジか!!ありがとな!!』

『うん!!……』





吹き返してくる、つい最近までの会話


智香が悪口を言わないと断言できなくなってきた





「それじゃあ、私たち帰るね」





でも疑問に思うことがある

こいつら、なんで一緒にいるやつのことこんなにべらべら喋ってんだろうって


聞いたのは俺の方だけど、友達なんじゃないのかよ





「……ねえ、2人は智香のことどう思ってるの??」

「えっ」

「誰もいないし、今なら言えるよ。別に本人に言うわけでもないし」






2人は顔を合わせ、片方がはっきりという




「苦手」

「私も…かな」

「へぇ…じゃあさ、なんで一緒にいるの」




俺は、智香と一緒にいる方の女に視線を向ける

すると、目を見開いてこっちを凝視する





「好きじゃないんだったら一緒にいなければいいんじゃん」

「そ、れは…」





智香の友達は困ったように言葉を濁らす


何をためらってるんだろう





「そうしたかったらそうしてるよ」





もう一人の友達が、困った智香の友達を見てからか

庇うようにこちらに目を向ける

智香とよくいる方は焦ったようにしていたが


それを無視しもう一人の方は話し始める





「智香って何かあったらすぐバレー部の人に言うでしょ??

それで、大人数で責められたら私達なにもできないし言えないじゃん

　そうなるのが嫌だから、智香と一緒にいる」







目の前の女はもういいでしょと言って去って行った



確かに、一理ある

俺達は、智香のことを甘やかし過ぎたかもしれない



智香の見方を変えよう

今まで、何とも思ってなかったことでも

かなり違和感があるかもしれない




もしそれで大変なことに気付いたら

　

俺は

　

どうすればいいんだよ…

26→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す