【ヒロアカ】ブラザー☆コンプレックス (ページ6)

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あなたの背中を追い求めているページ6

『ヒーローになりたい』

そう言ったのはいつ頃だっただろう。

遠い昔のことのような気もするし、つい最近だった気もする。

どうしてかな。

オールマイトをテレビで見たからかな。

父であるエンデヴァーの背中をいつも見てきたからかな。

それとも、父からずっと鍛錬を受けてきた焦凍にぃの姿を見てきたからかな。

私はずっと、父に焦凍にぃと同じように稽古をしたいと訴えてきた。

最初のうちは拒否されていたけれど、ある日を、あることが起きた境に許されるようになった。

その"ある日""あること"は今ではもう覚えてはいないけれど、私は今も鍛錬を受けている。

「もっと火力を上げろ！！お前はここで留まっててはいかんのだ！！」

「っ……はいっ！」

"右手"から燃え盛る炎の火力を上げる。

父はもっと、もっとと私に火力を上げるように言い続ける。

熱気のせいか疲労のせいか、目がチカチカし始め、目眩がする。

それでも、私は父に認めてもらうために、焦凍にぃに追いつくために足を踏ん張って火力を上げ続ける。

私はいつも、父と向かい合って鍛錬をしている。

二人の間の熱気が最高潮に達する寸前、訓練場の壁中に氷が走った。

＿＿焦凍にぃの「氷結」だ。

私の炎の勢いとは比べ物にならないほどの強く大きい氷。

かっこいいなぁ。

私も焦凍にぃみたいになりたい。

いつか、肩を並べて敵と戦ってみたい。

「おい集中しろ！！」

「ご、ごめんなさい……！」

いけない、焦凍にぃを見るといつもこうなる。

私の"夢"は、努力で勝ち取るしかない。

いつか、焦凍にぃに追いつくために。