【ヒロアカ】ブラザー☆コンプレックス (ページ31)

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だが、それももう限界だ。

"個性"を忌み嫌う度、どんどんその嫌悪感が増していく。

それと比例して、どんどん自分も息をしずらくなっていく。

妹に譲渡すればこの気持ちは軽くなるはずだったのに、実際にはその逆で、どんどんあの"個性"が気持ち悪くすら思えてくる。

妹に申し訳ない気持ちが膨らむ。

去年の夏頃だったか、俺は再び妹に対して禁忌をおかした。

妹が夜な夜なその情欲を一人で慰めていたことを知っていた俺は、彼女が俺のことを好きなことに再びつけ込み、彼女の服を剥いで自分の体を重ねた。

もちろん、あんなことをしたのは一度だけだ。

だがそれはそれで罪であり、妹を追い詰める原因になっていることに気づいた俺は、今度は妹に優しく接するようになった。

媚びを売るような、汚い罪滅ぼし。

だが、俺の本心はそこには無い。

自分がしている行動と本心の摩擦がどんどん大きくなっていき、その摩擦熱に俺は焦がされていく。

その熱は俺の脳味噌をも焦がし、正気を、常識を失わせていく。

もう気づいた時には遅く、俺の頭の中は希死念慮でいっぱいになっていた。