【ヒロアカ】ブラザー☆コンプレックス (ページ17)

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「っ……!?」

譲渡……？

何を言ってるの……？

息を潜めなきゃいけないのに、息が荒い。

動機も激しく波打って、これだとバレてしまいそうな程に響き渡っている。

意味の無いことだとわかっていながら、私は口元に手を当てた。

＿＿ダンッ！

「ひっ」

あ。

しまった。

父がグラスを勢いよく机に叩きつける音に、つい悲鳴をあげてしまった。

「……A？いるのか」

「っ……」

バレてしまったものは仕方がない。

ゆっくりと私が姿を現すと、父はバツが悪そうに私から目を背けた。

それは、まるで先程の言葉の真偽を証明するかのように。

「……ホントなの？」

父の横顔に問う。

返事は返ってこない。

「ねぇ、ホントなの？焦凍にぃが私に個性を譲渡したって……！ねぇっ！」

どんどん嫌な予感が、妄想が、留まることを知らずに膨らんでいく。

その存在に気づいた時にはもう遅くて、私はその全てを父にぶつけてしまった。

それでも、返事はこない。

でも、きっとそうなんだ。

この沈黙が、何よりも明確にその事実を肯定している。

嫌でもわかる。

「〜〜っ」

悔しくて、悲しくて。

私は当初の目的も忘れ、自室に駆け上がった。