【ヒロアカ】ブラザー☆コンプレックス (ページ4)

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幸せだったら、別にいいんじゃないページ4

「ごめん、寝坊した！」

慌てて居間に入ると、画面がついたテレビと、私の分の朝食が置かれていた。

あと5分で食べ終わらないと学校に遅刻してしまう。

台所の方から、冬美ねぇが苦笑しながら出てきた。

「急ぎなよ？玄関で焦凍が待ってるんだから」

「そ、そうなの⁉」

なおさら急がないとじゃん！

私が急いでご飯を食べている後ろで、テレビではCMが始まった。

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ジョート、ジョート、ジョーオートー♪

……譲渡、かぁ。

数年前、私たちはそれよりも前では考えられなかったような、すごいことができるようになった。

それが、「“個性”の譲渡」。

相手の体内に自分のDNAを取り込ませることによって、自分の個性を相手に移し替えることができるらしい。

今では譲渡運動も広がっていて、例えば足を悪くしてしまったプロヒーローには腕の“個性”が譲渡されるなどの、ファウンディングの活動も活発になっている。

一度渡した“個性”をもう一度持ち主に返すことはできないし、個性を譲渡した人はその後一生、“無個性”で生きていかなければならない。

それでも私は、この“個性”の譲渡に関わった人たちが幸せならいいと思う。

そんなことを考えながら、最後の一口をお茶で流し込む。

「ごちそうさま！」

急いで席を立って、歯磨きもそこそこに、私は玄関で待ってくれている焦凍にぃのところへ急いだ。

「ごめん、焦凍にぃ」

「いや、いい。俺が待ちたくて待ってたんだ」

行こう。

そう言って私の手を優しく引っ張る焦凍にぃ。

朝日に煌めくその紅白の髪を見て、私はふと思った。

もし焦凍にぃが今持っている「氷結」と私が持っている「炎熱」のふたつの“個性”が使えたら、きっとかっこいいだろうなぁ。