【ヒロアカ】ブラザー☆コンプレックス (ページ29)

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恋慕の鎖ページ29

あれから数週間がたった。

私の腕はもうすっかり完治していて、前と同じように、普通に生活できるようになった。

でも、前と違うことが一つだけある。

それは、焦凍にぃが私を全く見なくなったこと。

話もしてこないし、私から話しかけても、本当に大事な話以外は無視される。

わざと眼中に入らないようにされているようで、ふと目が合った瞬間すぐに目を逸らされてしまうのは何度されても傷つく。

他の家族は、以前と変わらないように接してくれている。

たぶん、私が家に居ずらくならないために、だ。

根本的には私が悪い訳では無いけれど、焦凍にぃ以外の家族にはどうしようもなく申し訳ない。

焦凍にぃに避けられている。

この事実は、どんどん私の心をズタズタに引き裂いていく。

でも、それでも。

私は焦凍にぃのことが好きなままで、焦凍にぃの背中を、顔を、追いかけてしまわない日は無かった。