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不確実な約束�� ページ32
Aside
「……一日、一本」
負毒を受け取った後、お屋敷に帰り、私は目の前においた木箱を前に考え込んでいた。
このことを義勇さんにいつ話すのか。
そもそも、話していいのか。
でも……
(駄目だって、言われちゃいそう……)
ため息をつく。
でも、同僚として、何よりも恋人として、これは伝えなくてはならないことだと思う。
それでも、彼には受け入れてもらえない気しかしない。
最悪、しのぶさんに無理矢理にでも毒を返されそう……
どう伝えるか、頭を抱え込んだその時。
「A、いいか？」
襖越しに、義勇さんの声が聞こえた。
反射的に、木箱を文机の影に隠す。
私がはい、と返すと、襖がスッと開き、そこには義勇さんが私を見下ろしていた。
「何か……？」
「少し、時間あるか？」
「時間？ 時間はありますけど……」
何か用事でもできたんですか、と聞く私に、義勇さんは穏やかに言った。
「海に行こう」
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作者名：emiria | 作成日時：2020年8月15日 14時
