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鬼を殺す者�� ページ21
(続き)
でも彼女はそれを、まるで他人事かのように涼しい顔をして診察に来て、うめき声一つあげずに何晩もここで過ごした。
＿＿あの時、もっと私がしつこく言っていれば。
悔恨のみが、残る。
でも……
「お願いします、しのぶさん。私は今や、兄を倒すためだけに隊に入っているといっても過言ではありません。どうか……協力してもらえませんか？」
再び、お願いします、と言って頭を下げるAさん。
私はそこから、彼女の真意や熱意が溢れているような気がした。
静かに目を閉じる。
「……わかりました。それではまず、西洋の鬼の血について詳しく知るために、あなたの血を採血させてください」
「！ あ、ありがとうございます……！」
バッと顔をあげてそう言った彼女の顔には、一切の陰りも、後悔も、不安さえも映っていなかった。
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作者名：emiria | 作成日時：2020年8月15日 14時
