酔っぱらい�� ページ24
Aside
酔っぱらいほど、たちの悪いものはない。
「義勇さん、苦しいです。離してください」
「いやだ」
即答ですか、ああそうですか。
「もう少し、このまま……」
「いや、このままは困るんですけど。もう少し、力を緩めていただけませんかね？」
「いやだ」
お腹と胸元には、義勇さんの腕。
かなり力が入っていて、少し苦しい。
しかも、背中の変なところに顔をグリグリされて、変な感じがする。
どうしてこうなったんだっけ……？
あの後、私は義勇さんが起きたのを確認してから夕ご飯を作りに台所に行った。
かなりぐでんぐでんによってらっしゃるから、あまり後日に響かないもの……と思い、シジミをたっぷり入れたお味噌汁と梅干しを入れたお粥。
お粥にした理由は単純。普通のご飯よりも水分が多いから。
居間にも持っていったし、義勇さんを呼ぼう。
そう思い部屋の前まで来たはいいけれど、声をかけても全く返事をしない。
数分待った後、しびれを切らして中に入った途端に今の状態になった……というわけだ。
回想を終え、再び現実に戻る私の思考。
「起きてください」
「いやだ」
「夕ご飯出来てます」
「いやだ」
「起き……」
「いやだ」
「はあ……」
さっきからずっとこんな調子だ。
こんな呑気な会話をしておきながらも、腕に込められた力は抜けない。
流石柱だな……って、今はそんな場合ではないか。
「そろそろ怒りますよ」
「いやだ」
「じゃあ離してください」
「姉さん……」
「！」
思わず後ろにある義勇さんの顔を見る。
癖っ毛のせいで、彼の顔が見れない。
「行かないで……」
……寝ているのだろうか？
幼い日の夢を見ているのだろう。
あの日と同じように、夢の中で、子供の時と同じように。
「行きません」
私は無理矢理体を回転させ、義勇さんと向き合う。
ずるずると落ち、私の膝に顔を埋める義勇さん。
私は彼の癖っ毛をそっと撫でた。
「どこにも行きません」
ずず、と鼻を啜る音。
どうか、義勇さんがこの夢を見るのは最後でありますように。
そう願いながら、私は何度も何度も、彼を落ち着かせるように撫でた。
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emiria(プロフ) - ありがとうございます(*^^*) そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年8月12日 18時) (
レス) id: 326160d654 (このIDを非表示/違反報告)
藍乃 - どうしてくれるんですか！面白すぎてお茶を吹き出してしまったじゃないですか！！ 訳：面白すぎてお茶を吹き出しちゃったじゃん！もっともっと〜！←奴はドMです、 (2020年8月12日 13時) (レス) id: bea9161b20 (このIDを非表示/違反報告)
emiria(プロフ) - 月夜公さん» 良かった……笑ってくれる人がいた！ ありがとうございます！ (2020年8月8日 20時) (レス) id: ecee6d7503 (このIDを非表示/違反報告)
月夜公(プロフ) - 『この世の全ての鮭大根を食べてきた』だって......!! 思わず吹き出しちゃいました！！ (2020年8月8日 13時) (レス) id: 253c82e7ac (このIDを非表示/違反報告)
emiria(プロフ) - 月夜公さん» すみません！ ご指摘ありがとうございます。只今直してきました。 (2020年7月26日 16時) (レス) id: ecee6d7503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：emiria | 作成日時：2020年5月2日 15時
