手合わせ�� ページ16
煉獄side
「いやあ、驚いた！ よもや、羽衣紫、本当に強いのだな！」
冨岡から終了の合図が出た後、俺は羽衣紫から木刀を返してもらった。
そして彼女の背中を軽めに叩く。
「い、いや、もう……体力が限界で……うっぷ」
「？ 本当だな。戻って休むといい！」
見れば、羽衣紫は本当に疲れたような顔をしている。
なんだか子犬を見ている気分で、彼女の頭をもしゃもしゃと撫でる。
「ただいま戻りました〜……疲れた」
「おかえりなさい、Aちゃん！ すごかったわ！」
「ええ、びっくりしました」
甘露寺と胡蝶に囲まれ、えへへ……と照れ臭そうに笑う羽衣紫は、つい先ほどまで、あれほど重い攻撃を次々と繰り出した剣士と同一人物とは思えない。
俺の所見殺しの技を避けられた時は、正直ド肝を抜かれた。
「煉獄」
「む、冨岡！」
「どうだった？」
「ああ……」
そうか、冨岡は羽衣紫の師範だったな。
そうとなれば、なにか彼女がもっと強くなれるような助言をしよう。
「うむ、一つ一つの攻撃が素早く、重かった！ いいと思う！ だが、体力のなさは、あれはかなり危険だな！」
「……そうか」
「常中は、あまり練度が無いように見えるが……」
「ああ、一週間ほど前、俺も驚いた」
「なににだ？」
「Aが常中を会得していないことにだ」
……冨岡、言葉が足りないぞ。
というか、下の名前で呼んでいる。随分と仲がいいんだろう。
「ささ、この桜餅、美味しいわよ！」
「あ、美味しい！」
「ふふふ」
なんだか、甘露寺と羽衣紫の世界が出来上がっているような……
そして伊黒から、物凄い負のオーラが感じ取れる。
「よもや、あそこまで馴染むのが速いとはな……」
「ああ」
ポツリと呟いた俺の言葉に、珍しく微笑んだ冨岡が頷いた。
「冨岡、顔がいいのだからもっと笑え！」
「俺か？」
「ああ！」
「笑っているつもりだが」
「いや、まったくもってお前は無表情だぞ！」
……表情筋が極端に固いのだろうか。
再びどんちゃん騒ぎの輪の中に入った羽衣紫を見る。
「笑い方は、羽衣紫に教わるといい！」
「？」
何せ、彼女のあの笑顔は人を幸せにするからな。
俺は戸惑う冨岡を引っ張り、男の柱で開かれ始めている酒のみ競争の中に入った。
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emiria(プロフ) - ありがとうございます(*^^*) そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年8月12日 18時) (
レス) id: 326160d654 (このIDを非表示/違反報告)
藍乃 - どうしてくれるんですか！面白すぎてお茶を吹き出してしまったじゃないですか！！ 訳：面白すぎてお茶を吹き出しちゃったじゃん！もっともっと〜！←奴はドMです、 (2020年8月12日 13時) (レス) id: bea9161b20 (このIDを非表示/違反報告)
emiria(プロフ) - 月夜公さん» 良かった……笑ってくれる人がいた！ ありがとうございます！ (2020年8月8日 20時) (レス) id: ecee6d7503 (このIDを非表示/違反報告)
月夜公(プロフ) - 『この世の全ての鮭大根を食べてきた』だって......!! 思わず吹き出しちゃいました！！ (2020年8月8日 13時) (レス) id: 253c82e7ac (このIDを非表示/違反報告)
emiria(プロフ) - 月夜公さん» すみません！ ご指摘ありがとうございます。只今直してきました。 (2020年7月26日 16時) (レス) id: ecee6d7503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：emiria | 作成日時：2020年5月2日 15時
