捨て犬拾ったら、何故かイケメンが添い寝してくれることになった件について。【鬼滅】 (ページ7)

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ガサガサガサガサ。

お、ビッグシルエットのパーカー発見。

でもどうしよう。

いくらタンスを漁っても、あの人が下に穿けそうなものは見つからない。

これじゃあ大事なところが隠れないじゃん。

‥‥‥あ。

そういえば、私、クローゼットの中に浴衣を入れておいた気がする。

曖昧な記憶を頼りにクローゼットの中を漁ると、浴衣を見つけた。

少し皺になってるけど、仕方ない。

「これ着て！」

急いで裸男に浴衣を渡す。

「‥‥‥助かる」

裸男はその場で私が渡した浴衣を羽織る。

そのまま帯まで締める動作はなかなか様になっていた。

「もしかして、和服とか着慣れてる？」

「なぜ？」

「その‥‥‥着付けの動作が染みついているっていうか‥‥‥」

何言ってるんだ私。

そう自分に突っ込んだ後、私は信じられないものを見た。

「‥‥‥そうかもな」

「‥‥‥え？」

目の前の裸男‥‥‥いや、浴衣男が笑った。

それはただの笑みじゃなく、どこか懐かしいものの気がする。

あれは確か、遠い記憶の‥‥‥

「浴衣、助かった。ありがとう」

「あ、いいえ‥‥‥」

何を考えているんだ、私。

どうしよう、本格的に頭がおかしくなり始めてきちゃったじゃない。

普段の食生活が荒れてるからかな‥‥‥

「‥‥‥」

あれこれ考えてはそれを打ち消す私を、浴衣男はじっと見降ろしていた。