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「‥‥‥え？」
フリーズ。
ちょっと待て。誰だこの男。
不法侵入か？しかも裸？
っていうか、私部屋の鍵閉めたよね？え？
犬は拾ったけど、こんな男拾ったっけ？
「どうした？大丈夫か？」
目の前で喋る、裸男。
私は彼の存在を再び見て、そして発狂した。
「ああああああああああああああああああああああああああああッあああああああああああああ‼‼‼‼‼‼‼‼‼変態‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
カバンをブンブン振り回して、オロオロと近づいてくる男を殴る。
「おい、大丈夫か？とにかく中に‥‥‥」
「ちっ近寄るな、変態‼何、どうして裸なの⁉」
「おい、落ち着け‥‥‥っ」
カバンの底の角‥‥‥当たると一番痛いところが男の脇腹にめり込んだ。
「ちょ、何で⁉何で部屋ん中に入ってるの⁉え⁉不法侵入⁉」
「違う！取り合えず落ちつ‥‥‥」
「いやああああああああああああ！」
男が近づいてきて、私を米俵みたいに担いで部屋の中に無理矢理連れ込んだ。
手足を精一杯ジタバタさせても全然効かない。
私は土足のまま、ソファーの上に放り投げられた。
「えっ、ちょっと、何すんの！何するつもり⁉ねぇ！」
「おい、落ち着け」
「これが落ち着いてられるか！」
ちょっと待って、これどういう状況⁉
ソファーに放り投げられた私。これはわかる。
でもなんで‥‥‥
「なんで私に覆いかぶさってるの⁉ちょっと！どいてよ！」
っていうか、私が朝拾った犬は？あのハスキーは？
目の前の男を見る。ってかもう、これって襲われるパターンだよね？
ちょっと待ってよ。こんな風に私の初めて奪われるの？
嘘、そんなの‥‥‥嫌。
「なんでこんな、得体のしれない男に‥‥‥」
「‥‥‥違う。俺はあのハスキーだ。」
‥‥‥は？
「え？今アンタ、なんて‥‥‥」
「俺は、お前が朝拾った、あのハスキーだ。」
‥‥‥え？
でも確かに、朝私に届いたテレパシーと同じ声だ。
うん、イケボ。って、そんなことよりも。
「‥‥‥あの」
「なんだ」
「もし仮にあなたがあのハスキーだとしても‥‥‥今のこの態勢に何か疑問は無いの？」
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作者名：emiria | 作成日時：2020年3月22日 20時
