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皆さんどうもこんにちは。
私はAというものです。
私は今起きているこの状況に戸惑っています。誰か助けてください。
何が起きているかって？それは‥‥‥
(聞こえてるぞ。)
「なにアンタ、聞こえてんの？」
『声に出ている』
‥‥‥‥‥こわっ。
『なぁ、俺のこと、拾ってくれないか？』
私は今、なぜかテレパシーを飛ばしてくる犬と向かい合っています。
いつも通り仕事に行こうとしただけなのに。何で？
何で私が住んでるマンションの目の前にテレパシー飛ばしてくる犬がおるの？
『悪いが、部屋に入れてほしい。寒い。』
犬の言う通り、今日は朝から雨が降っている。
犬はかなり前からそこに捨てられていたのか、ちょっとだけ震えている。
いや、ね。
入れてあげたい気持ちも山々なんだけどね‥‥‥
「それ、どうやって私と意思疎通してるの？」
『‥‥‥後で教える。』
「‥‥‥それ、困るんだけど。」
『なぜだ？』
「いや、ね？入れてあげたいのは山々なんだけどね？」
『マンションがペット禁止？』
「違う。隣の山本さん、思いっきり犬飼ってる。」
『アレルギーか？』
「全然平気」
『犬が‥‥‥嫌いなのか？』
「いえ、むしろ大好きです。」
ああ、そんなつぶらな瞳で上目遣いしてこないで。萌え死にそう‥‥‥
『じゃあなぜだ？』
わかんないの？
え、わかんないの？ここまで来て。
テレパシー飛ばす犬とか、もう怪奇だからね？
え？泣くよ？
「アンタがテレパシー飛ばしてくるからでしょ―が。それ以外に何か？」
『別に害はないだろう。』
「ああ無いよ。可愛いよ。でもね、怖いんだよ。わかるかい？」
『それならば問題ない。‥‥‥今夜、すべてがわかる。』
「何その嫌な未来予知みたいな？もう恐怖なんですけど。」
『取り合えず入れてくれないか？‥‥‥頼む。』
「‥‥‥」
じっと犬を見る。
ため息をついて、私はこう言った。
「わかった。でもほんとに、変なことしたらすぐ追い出すからね。あと私、この後仕事だからすぐ家空けるよ？留守番長いよ？」
『構わない。‥‥‥感謝する。』
おいで、と私が両手を広げると、犬は箱の中から出てきた。
そのままリードも繋げずに部屋に言ったのに、犬はちゃんと私の後をついてきた。
エレベーターに乗って私の部屋の前に着く。
ドアを開けて、私は犬だけ部屋に押し込んでこう言った。
「行ってきます」
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作者名：emiria | 作成日時：2020年3月22日 20時
