【相澤消太】今日も不毛な恋をする (ページ10)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:10,202 hit

かっこいい！ページ10

翌日、高校初めての授業。

午前は必修科目の普通の授業。

数学の授業は相澤先生だったので、眼福だった。かっこよすぎて辛み。思わず叫びそうになった。

くたびれた服装も、充血気味な目も、少し隈ができた涙袋も、伸びた髭も、喉から出ている声も、チョークを持った先生の、男性らしい少しごつごつとした手も、全部好きで、たまらなくて、黒板と言うより、相澤先生を見ていた1時間だった。

こうして見ると、やっぱり相澤先生の事が好きなんだなあって、改めて自覚させられた。

それと、右隣の席がお茶子ちゃんだったのは嬉しかった。

しかし、一つ問題が。

私は背が低いのに、席は一番後ろで、しかも前の4人が背の高い男子っ！

特段、相澤先生の気を引こうと思った訳では無いが、やっぱり気にかけてほしい。

『先生！黒板が見えません！』

「恋病、またか。頑張れ。」←

このセリフのやり取りを、午前中のうちに5、6回はやったよ。

お陰で、尾白くんと上鳴くん、切島くん、口田くんに謝られた。こちらこそごめんね。みんな優しい。

お昼は大食堂でランチラッシュの料理をお安く頂いた。

超美味しかった。以上。←

そして、午後の授業はヒーロー基礎学。

「わーたーしーがー！！」

「来っ」

「普通にドアから来た！！！」

『わ！』

オールマイトだ！すごい、後ろの席でも良く見える！！かっこいい！！

先生やってるって本当だったんだね！疑ってた。ごめんなさい。家で土下寝でもするよ。←

「早速だが今日はコレ！！

戦闘訓練！！！」

オールマイトは、BATTLEと書かれたカードを前に突き出した。

『……うそ、戦闘訓練って……無理やん……。』

私は、みんなに聞こえないような声で呟いた。

「そしてそいつに伴って……こちら！！！

入学前に送って貰った「個性届け」と「要望」に沿ってあつらえた……

戦闘服！！！」

『おおお！！』

戦闘訓練が無理ゲーという落ち込みを通り越して、自分だけのコスチュームが手に入るのが嬉しくて、思わず大声を上げてしまった。

自分のコスチュームが入った袋を抱き締める。

ドキドキして、ワクワクして、なんとも言えないこの気持ちは、まるで、夢みる少女に戻ったかのような心地良さだった。

「着替えたら順次、グラウンドβに集まるんだ！！」

『はーい！！』

私は、この時後悔した。

＿＿＿入学前に、もっと要望書いとけば良かった＿＿＿と。