【相澤消太】今日も不毛な恋をする (ページ5)

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この気持ちは箱に詰めて、捨てなければ。ページ5

放課後、私は職員室へ向かった。

わあ、なんか緊張する。

勇気を出して職員室のドアをノックして、開けて入った。

『失礼します。えっと、1年A組の恋病Aです。相澤先生に用事があってきました……？』

あれ、緊張で言い方正しいのか分かんなくなってるや。

「恋病、来たか。こっちだ。」

あ、あそこか。手招きしてる。

ああ、相澤先生がかっこ良くてドキドキする。

顔、赤くなってないかな……！？

私は相澤先生の席まで小走りで近付いた。

「今日の体力テストの結果、どういう事だ？」

『ええっと、私の個性は知っていますか？』

「当たり前だ。担任だぞ。」

『あ、ですよね。あの、つまりですね、”リセットされてしまった”……という事です。』

あれ？あってるよね？

「リセットされた、という事は、今日会ったばかりなのに、好きになった、と。

そういう事か。」

『はい……そうです。所謂一目惚れで……でも、この気持ちに嘘はないです。

シャーペンが折れなかったので。』←

「……そうか。……シャーペン、折れるのか、個性で。」

『あ、はい。力んでしまうと、つい無意識で個性を使ってしまいます。幼い頃からなので、どうしようも無いんです。』

そう。私は恋をしている時、気持ちを押し殺そうとして、手に力を入れると、無意識に個性が発動してしまう。

まあ、そんな事、口が裂けても言わないが。

そのせいで、どれだけのシャーペンを折って、新しく買い貯めした事か。

未だにシャーペン専用の筆箱を持ち合わせている。

「……まあ、今日の体力テストはいいとして、もう1回測らせてもらうからな。

期限は、一週間後でいいか？」

『はい、それなら問題無く個性が発動出来ると思います。』

「じゃ、一週間後、忘れずよろしく。」

『はい。失礼します。』

私は、相澤先生と喋っていられるだけで、心臓が爆発しそうで、胸が痛かった。

でも、＿＿＿＿＿

でも……＿＿＿＿＿

この気持ちは箱に詰めて、

＿＿＿＿＿捨てなければ……。