想いを叶えて #1 ページ2
「ただいま〜ってなに、この空気。重たいよ」
シャル達が帰ってきた。私とフランクリン、コルトピは座り込んだまま動かない。
「おかえり、シャル」
ぼうっと床を見つめながら、シャルへ声を掛けるが心はここにあらず、って感じが隠せない。
「なに? 喧嘩でもしたの? この面子だと想像できないけど」
「全くだ。俺やフィンクスじゃあるめぇし喧嘩なんてしねぇだろ、おめーら」
ノブナガが笑い飛ばし、シャルも軽く笑いながら私の元へ来るけどら待ちきれず思わず飛びついて抱きしめた。
「ちょっとA!? どうしたの?」
シャルは私を優しく抱きしめ、頭を撫でてくれる。この優しい手に私は一体どれだけ助けられてたんだろう。
「イチャつくなら他所でやれってのによお」
ノブナガの声は右から左に流れていき、強く強くシャルを抱きしめる。
「シャル、二人で話したい」
「部屋に行く?」
シャルが優しく声を掛けてくれるが、ぶんぶんと首を振り断る。
「二人きりに、なりたい」
その言葉で私の言いたいことが伝わった様で、頭を撫でて外へ向かっていった。
「車取ってくるから待ってて。団長にも話してくるよ」
「ありがとう」
消え入りそうな声で返事をして、フランクリンを見ると険しい顔をしている。『喧嘩するなよ』とでも思っているのかな。
「大丈夫だよ、フランクリン。ありがとう」
「なんだよおい。何があったんだよ」
ノブナガが声を掛けてくるけど、返事をする間もなくシャルが戻ってきた。
「行こう、A。団長から許可も貰ったよ」
困惑したような顔で作られた笑顔でシャルが話す。シャルもきっと、何がなんだか分からないと思ってるだろうに、それをグッと堪えてくれている。
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あまたおうか - とても素敵な作品で一気に読んでしまいました笑笑続きも読みたいのですが、アカウントが見つからず、サイトを知ることができません💦もしよければ教えてくださると嬉しいです。 (2022年5月28日 8時) (レス) id: 5a3ce09055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲月 | 作成日時:2020年2月12日 22時