翠色の瞳の貴方へ (ページ39)

今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:34,434 hit

その日のうちに仲直り　#3 ページ39

「ごめんA。勝手に勘違いして……」

そう謝ると、少し意地悪そうな顔をして笑うA。

「罰としてシャルは私に冷たいアイスを買うこと！」
「何個でも買うよ、そんなの」
「俺が買ってきてやろうか？その間にさっきの続」
「黙ってフィンクス！」

そう言って念の球をフィンクスへ飛ばすA。そんなことも出来るのか。伊達に長生きしてないな、なんて思ってしまう。

「ってぇ、てめっ、何すんだ」
「ほんと下品なんだから！フィンクスには買ってきてあげないから！」
「なんでだよ、俺にも詫びがいるだろうがよ」

相変わらずのこの二人の口喧嘩に、さっきの自分が本当に恥ずかしくなる。と、同時にこんなに愛する人に出会えたことが嬉しくもある。

「その辺にしときなよ二人共。俺ちゃちゃっと買いに言ってくるから」

そう言い立ち上がると、Aは不思議そうな顔で俺を見る。

「何言ってるの、シャル。一緒に行くんだよ」

当たり前でしょ？と言わんばかりの顔で俺を見つめるA。
あぁ、そうだ。俺達は磁石のように惹かれあっている。Aの生活の中、これからの人生の中には自然と俺が溶け込んでいるんだ。

『私と一緒に行くんだよ』の言葉に全てが詰まっている。それが分かったんだ、さっきの醜態は結果オーライなのかもしれない。

「じゃ、フィンクスちょっと行ってくるね」

そう言い残し、外に出るとどちらとも無く手を繋ぎ歩き出す。そんな俺達を太陽の熱が照らしていた。

.