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恐れを知らぬ元気な冒険者 #2 ページ10

「……全員は多すぎる、十人だけだ」
「ちょっと団長!?」
「本当? いいんですか!?」
「巻物へ(オーラ)を送ってからだぞ」
「団長〜……止めてよ……」
「はい! 分かりました! うーん、どの十人にしようかなっ」

シャルは変わらず反対しているし、当初より人数は減ったけど、これで私の不安は少し軽減されるだろう。

「じゃあ、出発の前々日には巻物に(オーラ)を送って、前日には皆の(オーラ)を増やすね」

まだ団員は全員集まっていないから、出発前日に行うことにした。

「私パスするね」
「なら後二人、決めるか」
「まだAに会ったことない団員がいいんじゃないかしら」
「そうだな。シャル、パク、お前たちでメンバーを決めておいてくれ」
「シャル、パク、お願いね」
「全く気乗りしないんだけど」
「私も同感だわ」

クロロさんの一声で、私の勝手な我儘を許してもらうことが出来た。鶴の一声とはこの事を言うんだろうな。
十人分の疲労感や倦怠感……想像しただけで恐ろしいけど、終わったらすぐに眠ればいいだけだしね。

「本当に大丈夫なの? あんた私達の心配より自分の身体の心配しなよ」
「大丈夫だよマチ。終わったら倦怠感がくる前にさっさと眠ってしまうから」
「熱に魘されるわけでもなく気持ち良さそうに寝てるだけなんだ。大丈夫だろ」
「そうそう、大丈夫大丈夫」

出発の前々日には、ぱぱっと巻物へ(オーラ)を送って、前日に備えよう。
初めましての団員や久しぶりの団員に(オーラ)を送って、疲労感がやってくる前に眠ってしまう。そして目が覚めた頃には元気に皆が帰ってきて、この長いお留守番を乗り切るんだ。

この時の私は、能天気にそう思っていた。

.

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作者名:咲月 | 作成日時:2020年1月8日 0時

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